東大生の親の学歴と世帯年収は?
まず私たちは、東大生100人を対象として、世帯年収を尋ねました。結果は次の通りです(n=100)。
200万~400万:3%
400万~600万:11%
600万~800万:17%
800万~1000万:16%
1000万~1500万:28%
1500万~2000万:5%
2000万~3000万:6%
3000万~4000万:1%
4000万~5000万:2%
5000万~6000万:2%
1億~:1%
わからない:8%
200万円から400万円が3%ほど。東京大学の実施している2021年度の学生生活実態調査からみると、世帯年収450万未満の家庭が10.8%存在するようなので、今回の調査ではかなり少なめに出ているようですが、どちらにせよ東京大学の全体の中でマイノリティなのは否めません。
問題は、世帯年収が全国平均値の545.7万円を上回る、600万~800万より上の回答者の割合でしょう。92人中の78人なので、回答者のうち84%が世帯年収の全国平均を上回る家庭出身者であることがわかります。世帯年収1000万以上の家庭に絞っても、92人中45人なので、およそ48%の方が全国世帯年収平均の約2倍以上の家庭出身であることがわかります。
なお、2021年度に実施された東京大学の学生生活実態調査(n=1510)では、次のような年収分布になっています。
450万円未満 10.8%
450万円以上750万円未満 11.2%
750万円以上950万円未満 13.2%
950万円以上1050万円未満 10.2%
1050万円以上1250万円未満 12.1%
1250万円以上 18.6%
わからない 24.0%
この数値と我々の実施した年収分布では異なる部分も多いですが、「わからない」と回答した24%の人を除いたうち、世帯年収950万円以上の家庭の割合に絞れば53%となり、我々のとったデータの48%とある程度近似します。
少なくとも世帯年収1000万円以上の家庭出身者の割合については、我々のアンケートはサンプル数こそ少ないものの、信頼が置けると考えていいでしょう。
また、今回のアンケートでは東大生の親の学歴も調査してあります。一般的には中卒より高卒が、それよりも大卒の年収が高くなる傾向にありますが、今回とったデータでも、おおよそ同じような分布が見られました。
特に父親が4年制の大学を出た家庭の世帯年収の平均は高い傾向にあり、父親の学歴が世帯年収に、ひいては子どもの学歴に影響している可能性も否めません。なぜならば、世帯年収が高ければ高いほどに、世帯の可処分所得の総額は増えるため。当然、教育投資にかけられる金額も大きくなるからです。
ここまでの話から、必然的に「親がたくさんお金を稼いでいるから、教育にお金をつぎ込めるので、結果的に成績が上がっている」シナリオが出てきます。しかし、これは本当なのでしょうか。ここまでの話はすべて推論にすぎず、「お金持ちが教育に大量の投資をしている」保証はありません。東大に合格する子どもたちは、自らの努力によって、もしくは自らの才能で合格していることもあり得ます。
本アンケートでは、ここを確かめるために、小学校、中学校、高校でどれだけのお金を教育投資として費やしたか伺っています。ここからは、東大生が大学入学までにどれだけの教育投資をかけられてきたのかを考えていきます。