外にはまた外国人が5人くらい待機していた
そこにはヴィトンやグッチ、シャネルなどのハイブランドから、X-LARGEやTHRASHERといったストリートブランドなど、さまざまなブランドのTシャツ、パーカー、キャップが並んでいた。もちろん偽物だ。
「Tシャツは1枚8千円くらいでパーカーは1万円くらいでした。正直、何も買う気はなかったんで、お店を出ようとしたら、1人が出口に立ち塞がって『入ったなら何か買わなきゃ』と言って退かないんですよ。それで渋ってたら『2枚で1万5千円にするよ』と値段の交渉をしてきました。
でも1万円しか持ってなかったんで、『そんなに金持ってないよ』と財布を見せたら『2枚で8千円でいいよ』とさらに値引きをしてきたんです。もう買わなきゃ出られないし、2枚ならいいかと思って白地に青でロゴが入ったドルガバのTシャツと、黒地に緑でドルガバとモンスターエナジーのロゴが入ったTシャツを買いました。友人はX-LARGEのTシャツを買ってました」
高い授業料と引き換えに、ほうほうの体で逃げ出した2人の若者は、今度は違う「ブラザー」に捕まった。
「やっと出られたと思ったら、『ブラザー!こっちも見てってよ!』と、また違うやつに肩組まれて、同じ建物内の隣りの店舗に連れていかれたんです。そっちはスニーカーとキャップを置いてる店でした。ナイキがブルズやレイカーズといったNBAチームとコラボしてるというよくわからないスニーカーが1万数千円で売られてました。
でも前の店でお金使ってもう2千円しか持ってなかったから、『ブラザー、わしほんまにもう金ないねん』と財布見せたら帰らせてくれました。外にはまた外国人が5人くらい待機してたんで、持ち合わせがあったら、また連れていかれてたかもしれないですね。
後日、このことを東京の友人に話したら『あんなんに引っかかるやつおらんで、パチモンつかまされてるやん』と馬鹿にされました」
見たこともない「ブラザー」の恐喝まがいの押し売りを許してはいけない。せっかくの修学旅行が黒歴史にならないよう、警視庁のお巡りさん、警戒よろしくお願いします。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班