「インボイス、ヤバい!」と気づいた人に今からできること
ここまで読んで「インボイス、ヤバい!」と気づいた方は、「何とかしてインボイスを止めなくては!」と考えるだろう。しかし、大半の国民が知らぬ間にインボイス制度導入を含む改正消費税法は2016年に成立済みで、来年(2023年)10月にはインボイスは開始される予定だ。その前の最後の国政選挙である参議院選挙を翌月に控える現在においても、大手メディア(テレビ局、全国紙)はインボイスの問題点をほとんど報じていない。
象徴的な出来事として、今年6月9日に「インボイス制度の中止を求める税理士の会」が都内で記者会見を開き、制度の問題点を税理士が自ら訴える貴重な機会があったものの、現地参加した大手メディア(テレビ局、読売・朝日・毎日・日経等の全国紙)は0社という衝撃的な結果だった。
*会見は国会議事堂周辺の施設(衆議院第二議員会館)で開催されており、周辺の記者クラブに常駐する大手メディアは非常に取材しやすい場所であったにもかかわらず不参加。現地参加したメディア関係者は雑誌、専門紙、フリーランス(筆者を含む)等の記者のみ。詳細は筆者の下記ツイートを参照
大手メディアがインボイスの問題で不自然なほど沈黙する理由としては、「自らは会社員であるため当事者意識を持てない」「新聞は軽減税率の適用対象のため消費税に関する問題は指摘しづらい」等の背景があると推測される。
しかし、こうした大手メディアの公正な報道は全く期待できない状況でも、一人一人にできることはまだ残されている。例えば、最もハードルの低い方法として、インボイス反対のオンライン署名に参加することが挙げられる。
*change.orgの署名数は4万5千筆以上(2022年6月14日現在)
さらに、来月の参議院選挙でインボイス反対や消費税廃止を掲げる以下の政党に投票することも有効だ。
・共産党(インボイスの問題点を国会で最も具体的に追及。冒頭に紹介した動画でも5ケースのうち4つは共産党 議員の質疑)
・れいわ新選組(インボイス反対どころか消費税廃止の立場。消費税が無くなれば、消費税の存在を前提にしたインボイスは必然的に中止となる)
・立憲民主党(今年3月にインボイス制度廃止法案を提出)
すでにインボイス制度導入を含む改正消費税法が2016年に成立しているとはいえ、これらの反対勢力が国会で議席数を伸ばし、発言権を増すことはインボイス導入を阻止する上で大きな意味を持つことは間違いない。
また、今回紹介した質疑の質問者(藤末健三 議員)のように自民党にもインボイスに問題意識を持つ議員がわずかにいることは事実だが、このインボイスを強力に推進してきたのは与党・自民党であることを忘れてはならない。