――そうした問題提起も特徴のひとつですが、現場ではそういう話もするんですか?

ストーリー的な部分で、筋が通るように監督や妖怪さんと話す機会は結構ありました。それこそ“闇落ち”についても、ちゃんと怒る場面や反省を見せないとダメなんじゃないかとか。何か引っかかることがあれば、コメディのテンポやテンションで乗り切るんじゃなくてちゃんと整理して臨んだりしているので、なんでもアリなわけではないですね。

ただ、こうやって切り出すって勇気がいる時があるんです。それでも撮影を成立させるために、こういう時間を作るっていうのはすごい大事なことだなと、作品作りの上でも色々と学びました。もちろんコメディ的な部分がメインではあるんですけどね。

――役者も一丸となって、“社会派ホラー・コメディ”として成立させているんですね。最後に今回の映画の魅力を改めてお願いします。

何も考えず笑いたいって時に見てもいいし、意外と隠れているメッセージがあったりするのでただ笑って終わりではない作品だと思います。時間があるな~って時にふらっとでもいいので映画館に寄って見て欲しいです。絶対後悔させないので! 噛めば噛むほど味が出てくる作品です!

小芝風花「闇落ちはしょっちゅう。お風呂の中で、叫びながらお湯を叩いたり(笑)」_7

撮影/石田壮一 スタイリング/成田佳代 ヘアメイク/竹下あゆみ

小芝風花●こしば ふうか
1997年4月16日生まれ、大阪府出身。2011年11月に開催された「ガールズオーディション2011」でグランプリを獲得。映画デビュー作であり、初主演作の『魔女の宅急便』で第57回ブルーリボン賞新人賞、第24回日本映画批評家大賞新人女優賞を受賞。その後は、女優として、映画・ドラマ・CMなど数々の作品に出演。現在はドラマ『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』(テレビ朝日)に出演するほか、映画では今秋公開予定の『貞子DX』、来秋公開予定の『Lady Kaga レディ・カガ』でも主演を務める。

『映画 妖怪シェアハウス-白馬の王子様じゃないん怪-』
監督:豊島圭介
出演:小芝風花/松本まりか/毎熊克哉/豊田裕大/池谷のぶえ/佐津川愛美/長井短/井頭愛海/尾碕真花/小久保寿人/片桐仁/安井順平/望月歩/池田成志/大倉孝二
ストーリー:澪は相変わらず妖怪たちと楽しく暮らしながら、作家になる夢を追いかけている。世間ではAI恋人アプリが大流行し、誰もがスマホを見てニヤニヤしていたが、出版社での仕事に追われている澪は恋愛とはご無沙汰だった。そんなある日、上司に無茶振りされた取材でイギリス育ちの天才数学者・AITOに出会い、恋に落ちる。理想の王子様との幸せな日々もつかの間、澪はその恋がシェアハウスだけでなく巷の妖怪たちを危険に晒していることを知る。その頃、人間社会にもある“現象”が起き、人間の未来は大きく変わろうとしていた…。
●6月17日(金)より全国公開

https://youkai-movie2022.jp/