闇落ちは誰でも当たり前?
――第1シーズンでは澪の成長が描かれていました。今回のドラマや映画では、“闇落ち”がキーワードとなっていますが、ご自身が闇落ちすることは?
しょっちゅうありますよ! お仕事や人間関係でどうしても筋の通らないことや、飲み込まないといけないことがあるじゃないですか、そうするとお風呂の中で、叫びながらお湯を叩いたり(笑)。誰でも闇要素は持ってると思うし、闇落ちしない人はいないんじゃないかと思います。
この前も闇落ちしそう、ヤバいって時に「このままじゃ性格悪くなるから、聞いて!」って、友達に聞いてもらったりしましたね。私は、はっきりチャキチャキタイプなので人に聞いてもらって発散しています。
――「欲望と平和」についても映画では取り上げていますよね。欲がなければ幸せになれるという主張もありました。
欲があるから戦争や争いも起きるというのは間違ってはいないと思うんですけど、私は欲はあったほうがいいと思います。こうなりたいという欲がないと頑張れないし、楽しくない。そういう意味では私は欲張りな人間なので。ただ、その欲のために周りを蹴落としたり奪ったりすることがダメなんだと思います。
社会問題の描き方は役者も話し合って
――「AI恋人アプリ」を使ったAIとの恋愛もストーリーに大きく関わっていますけど、共感できましたか?
昔、恋愛シミュレーションゲームをやったことがあるんですけど、私には合わなかったですね。でもAIならどんな言葉を望んでいるのか、どんな態度を示してほしいかわかってしまう、完璧な理想の彼氏になれるわけですよ。
劇中でAIとの恋愛がブームになるのもわかるんですけど、人ってどうしても「自分の味方になる言葉」をくれる人に依存してしまう一面がありますよね。そう考えると恐ろしいなと感じます。聞きたい言葉だけ聞くのではなく、自分で考えないとなって。
――相手によってはそれを利用して、洗脳したりすることも考えられるわけですもんね。
まさに今、スマホがなかったら生活できないくらい依存してしまってるし、AIが進化していけば人間が負けてしまうのかなとか。便利な反面、怖いと思うことも正直ありますよね。それこそ人間が退化してるって部分も現状だと思うので。
『妖怪シェアハウス』はコメディでふざけた部分も多いんですけど、そういう社会的メッセージが込められていて、今の時代に共感できるものが盛り込まれてるからこそ楽しんでもらえてるんだろうなって思います。