裁判や司法制度における不平等が
経済主体となりうるシステム

しかし今、支配者層、ワシントンの人々、この世界をリードする人々、ジョー・バイデン、彼の安全保障顧問のジェイク・サリバン、トニー・ブリンケン、ヴィクトリア・ヌーランド、そして彼女の夫であるロバート・ケーガンといった人々は無責任であり、恐ろしい存在です。

「アメリカの最悪の事態はこれから訪れる」世界最高の知性による未来予測。超富裕層が「人を買い」、裁判や司法制度における不平等が経済主体に_2

私にとっては、西側がウクライナ戦争に勝つか、ロシアが戦争に勝つかというのはどうでも良いのです。もっと一般的に言うと、西側のネガティブな動きを考慮すれば、ウクライナ戦争とは関係なく、アメリカのさらなる悪化に備えなければならないということです。

無責任なインテリやケンブリッジの学者のようなことを言って申し訳ないですが、私はフランス市民として、そして世界市民として、私たちの前にある歴史の動向に、心から怯えているのです。

――そのお答えは次の質問につながるのですが、2024年以降の世界についてお尋ねします。リベラルな寡頭制の次に来る世界システムについてどのように考えていますか。

ここ数年で、アメリカを分析する際にある言葉が頻繁に登場するようになりました。

これは、私が考えた言葉でも、個人的に導入した新しい概念でもないのですが、かなり多くの本で目にする概念です。それを「封建主義」と言います。

封建主義とは何かと言うと、二つの側面がある社会状態のことです。これは私にとって新しい研究分野です。ですから、このことについて話すのは難しいのですが、その二つの側面とは以下のようなものです。

一つは、国家の中枢が弱体化し、国家の各部門が互いに独立して行動するようになることです。そして、もちろん体制内の富裕層、つまり以前の時代の寡頭支配者たちは、自分たちの望むように国家の断片を利用したり、行動したり、影響を与えたりする傾向がますます強くなっています。

ローマ帝国が崩壊した後にも、このようなことが起こりました。これは、社会の上層から見た封建制だと言えるでしょう。

封建主義とは一種の「権力の崩壊」をもたらし、超富裕層が真の寡頭支配者になるような権力システムです。寡頭支配の本当の意味は、少数者の権力です。富裕層が権力を持つ金権政治とは異なります。つまり、寡頭制から封建制への移行は、非常に小さな動きとなるのです。

もう一つの側面は、「人を買う」ことができるところにあります。まず資本主義とは、基本的にお金でモノを買うことができるシステムです。

資本主義では、少しのお金なら小さなものを、たくさんのお金があれば大きなものを買うことができます。しかし封建制は、モノを買うのではなく、人まで買えるようになる段階です。

アメリカの寡頭支配者は、シンクタンクに資金を提供することで、必要とするイデオロギーやプログラムを作ったり、発言したりします。これはすでに完成しています。私が言う「人を買う」とはもっと悪い状態です。

「人を買う」段階とは、裁判や司法制度における不平等が経済主体となりうるシステムが完成した段階です。