ノリで始めたくだらない行動から「神」にたどり着く
こうしたアイデアが出てきて、全部今日から実行することになった。ビラはアイデアが出たときは「ノリ」で「やろう!」と言ったが、実際実行するとなると、かなり抵抗がある。
でも僕たちはやった。僕たちが飲茶のランチに、そのビラをつけた格好で行くと、周りのテーブルのやつらは僕らのことを見てひそひそ話をしている。
僕がコーチをやるときに、ときどき「くだらないアイデアをあと二つ追加してください」とリクエストする。
普通のアイデアは他社でもやってる。一見くだらないアイデアを、プロとして実行できるやつらはそこで確実に差が出る。
このしくみで紹介されたシステム管理者候補が、僕と面談することになった。
僕は彼のことが気に入り、ぜひ入ってほしいと思った。
彼に、「じゃあ肩書きは何にしようか?」と聞くと、彼は冗談で「ネットワークとUNIXの神ではどう?」と言ってきた。
僕はすかさず、「そりゃあいい!本部長以上の肩書きは取締役会の決議事項だけど、『神』は僕の裁量で決められる。そうしよう!」と言った。
僕の馬鹿さぶりを気に入ってくれたのか、彼は我社に入社した。
もちろん入社契約書や、名刺の肩書きは「神」だ。
こんなふうに、僕らは問題が出てくるたびに、「どのようにすれば」のかたちにすることを乱用して楽しんだ。
たとえば毎朝の進捗管理のミーティングがマンネリになってくると、「どのようにすれば毎朝のミーティングをセンセーショナルにできるか」といった文章になる。
毎週「ミーティング幹事」を決めて、その人が、なんらかの工夫をしてセンセーショナルにすることにした。
片足でミーティングしたり、服装の決まりがある日があったり、ロビーでやったり、公園を歩きながらやったり、一つひとつがとてもいい記憶として僕のなかに残っている。
文/大橋禅太郎 画像/shutterstock
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