「そこまで配慮が必要なのか」

発端は2022年におきた、名古屋刑務所で刑務官が受刑者へ暴行等を加えた事件。その後の調査では同所の職員が雑談中に受刑者のことを「懲役」「やつら」など侮蔑的に呼んでいたことから、法務省では再発防止の取り組みの一環として、この「さん付け」命令を発したわけだ。

この件について、一般の人々はどう思うのか。秋葉原、新橋、巣鴨の3つのエリアで町の声を集めてみた。

秋葉原駅前で待ち合わせをしていた30代会社員は「言うまでもなく受刑者の人権は尊重されるべき。”さん付け”で呼ぶことで、これまで侮蔑的な言動をとっていた刑務官の意識が変わるのならよいと思う」と話した。

40代の会社員も「刑務所の中は言ってみたらブラックボックスだからね。これも時代の流れというか、必然なんじゃないかね」と肯定的だった。

一方、20代の女子大生は「そこで暮らしてない身としてはよくわからない部分もあるけど」としながらも、こう続けた。

「さん付けにしたからって何かがよくなるとは思えません。犯罪をして入ってるんですから、そこまで気を遣う必要があるんですかね。人権にうるさい世の中だからか迷走しているように感じます」

秋葉原でインタビューに応じてくれた男性(撮影/集英社オンライン)
秋葉原でインタビューに応じてくれた男性(撮影/集英社オンライン)
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飲食店に勤める30代男性もこう顔をしかめた。

「悪いことをした人にそこまでの配慮が必要なのか。それによって刑務官たちの仕事が増えたりストレスに繋がらないか心配だ。罰を受ける人たちのために面倒を見ること人たちの負担が増すのは違うと思うし、犯罪者がつけあがる可能性もある気がします」

20代の男子大学生も否定的だ。

「そもそも刑務所の中には社会的に失うものがなく、犯罪を再び犯すことにためらいがない人だっていると思うんです。本来、犯罪者にとって刑務所は二度と戻りたくない場所である必要があるのに、『さん付け』に何の意味があるかわからない」