答えは50年後…「清純派」ファンタジーをストイックに守れる存在

そんな「清純派」の定義も「卒業」の必然性も大きく変わっている現代。若い世代で今後レジェンド級の「清純派」となっていきそうな女性俳優といえば、さきにのべた清純派の共通項にすべて当てはまっているであろう、芦田愛菜ではないだろうか。

今の彼女は「清純派」というよりは「優等生」に近いかもしれないが、将来にわたってそのイメージが崩れそうにないところがすごい。

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現代は「清純派」のイメージを自ら卒業しなくても、簡単に崩れてしまう罠がいっぱいである。そんな中、あのイメージを守り続けられる芸能人はそう多くない。

芦田愛菜は、SNSもやっていないし、バラエティも「博士ちゃん」しかほぼ出ることはない。良好なイメージを元にCMはバンバンやっているが、女優としての作品はある程度厳選している。鉄壁のディフェンスである。

同じ子役出身でも、平成の子役・安達祐実は子供イメージ脱却のためグラビアをガンガンやったり、映画で汚れ役を演じたりと意識的に自ら崩していった感があるが、今のところ芦田愛菜はそういった方向には行く気配がない。

芦田愛菜には、貴重な「清純派」ファンタジーをストイックに守れる存在として、吉永小百合の高みを目指してもらいたいものである。

彼女が、70歳であってもキスシーンに恥じらうのか。答えは50年後である。


文/前川ヤスタカ 写真/shutterstock