心療内科に行きたい旨を話すと「部活はどうするの?」と言われ

一連の報道を見て「他人事ではないです」と語るのは、宮城県の近県で去年3月にまで小学校教員をしていたAさん(27歳)だ。今は教員を退職し、異業種の営業職に就いており「日々、健康的に過ごせてます」と言う。

「教諭時代、週に一回の学年会議の時間は新任の私へのお説教タイムでした。みんなの前で『〇〇ができてない』『クラスが落ち着いてない』『授業も遅れてどうするの』と何人もの先生に責め立てられました。

特に生徒の目の前で私の指導に対し『〇〇先生、何してるの!』と大声で怒鳴られた時は辛かったです。生徒に対しても申し訳ない気持ちでいっぱいで罪悪感さえありました」

他の教諭からは、就業規則で定められた出勤時間よりも早い時刻の登校を求められた。

「出勤時間は7時45分から8時の間と決められていたのですが、『7時15分に出勤し、遅くとも7時30分には教室で生徒を迎え入れて』と言われました。次第に不眠になり、朝早く夜遅い日々の業務で疲れが取れなくなりました。

月曜日になると学校に行きたくなくなり、心療内科に行きたい旨を話すと『部活はどうするの?』と言われ、同僚たちからも『ふざけんなよ』と給湯室で悪口を言われました。ある先生の送別会で『お前とは一生一緒に働きたくない』と直接言われたこともあります。それらに耐えられなくなり病休しました」

学校(写真はイメージです)
学校(写真はイメージです)

Aさんは誰にも相談できなかったという。

「同僚の先生が怖かったです。1年目の時には休むという選択肢も自分の中でなかったので、車での通勤時に『ガードレールに突っ込んだら楽になるのかなぁ』と思ったこともあります。

去年3月に教員生活3年で退職した理由は、仕事の大変さはもちろんですが、同僚との関係悪化が大きいです。今は異業種の営業ですが、同じようなことはないので毎日やりがいを感じています。とにかく、パワハラやいじめに遭ったら逃げるしかないと思います」

また、埼玉県の公立高校に勤める男性教諭のBさん(27歳)は「とくに定年前の50代教諭は厄介なんです」と言う。

「学校には校長と教頭以外に主幹教諭という立場の人がいるんですが、私が勤めていた学校の50代の主幹教諭は、その日の機嫌のよし悪しで態度が変わる人で、特に新任イビリがすごかった。叱り口調で話すか、ひどい時は新任教諭の挨拶も無視するほどでした。

周りもそれを見ていましたが、その主幹教諭に何か意見しようものなら『自分が標的になるんじゃないか』と誰も注意ができない状況でした」

写真はイメージです
写真はイメージです

神奈川県の公立高校で非常勤職員として働いていた公認心理士のCさん(43歳)も主幹教諭のこんな一面を見たという。

「私が見た定年前の男性の主幹教諭は、カーッとなると職員室で大声で怒鳴り散らす人でした。ある女性美術教師が見かねて『その態度はおかしいですよ』と注意をしたら、その日を境に美術教師への執拗なパワハラが始まりました。

校内で主幹教諭が美術教師を執拗につけ回し、生徒を指導している姿を見て『そういう言い方はないんじゃないですか』と突っかかったり、『あなたの指導はなってない!』とのメールを送ったりと、精神的に追い詰められたそうです。校長に相談しても主幹教諭と仲がよかったため、問題にはしてもらえなかったそうです」