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今でも記憶から消し去りたいと思うほど陰湿だった

北村容疑者は9月11日に逮捕され、集英社オンラインは翌12日に事件を詳報、それを読んだ元同僚女性から連絡があり、電話でインタビューをおこなった。2人が「同僚」だったのは平成14年から7年間、練馬区立の別の中学校で北村容疑者が「主幹教諭」を務めていたときのことだ。

「私は20代の新米教師で、北村さんは『主幹教諭』という制度ができてすぐに選ばれたので優秀という評価だったのでしょう。私が担任を受け持ったクラスで、北村さんは副担任で、進路指導もしていました。北村さんは私に対しても『指導』のつもりで毎日、いろいろなことを言ってきました。しかし、『指導』の内容はパワハラそのもので、ストレスにしかなりませんでした」

北村容疑者は毎日夕方になると、その日に気づいた指摘事項を書いた何枚ものカードを女性の前に掲げ、『どれからがいい?』と選ばせたという。

「カードはだいたい5枚以上はあって、引いたカードの内容に応じて説教されるんです。説教が夜まで続いて全部消化できない日もありました。内容としては『教室の後ろにゴミが落ちていた』などすごく細かいことや、インフルエンザになったときに『体調管理がなってない』と説教されることもありました。北村さんもインフルエンザになっていたのに、自分のことは棚に上げて説教するんです」

北村比左嘉容疑者
北村比左嘉容疑者
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北村主幹教諭による事細かで執拗な説教は連日続き、女性は恐怖の日々を過ごした。今でも記憶から消し去りたいと思うほど、それは陰湿だったという。

「説教は基本ネチネチしていて、強烈なものだと大勢の生徒の前で自分の力を見せつけるように大声で私を叱ることもありました。20代の教師が私だけだったので余計に標的になってたのかなと思います。同じ学年の先生たちみんなでやるような仕事があっても、自分だけ偉そうに椅子にふんぞり返って見ているだけ。口を開けば文句ばかりだったので、同僚の先生方からの評判も悪かったです。きっと主幹に選ばれて自分は偉いって意識があったんだと思います」