童貞のままでもいいが…“現役童貞”の本音
ところで「童貞のままは嫌だ!」という男性ももちろんいるだろうが、反対に「童貞のままでもべつにかまわない」と考える人が増えているのかもしれない。昨今は、よくも悪くも童貞に対する偏見といったネガティブな印象が薄まってきているため、これからさらに童貞率が上がっていく可能性もあるだろう。
では実際の“現役童貞”は、恋愛・性交渉についてどう感じているのだろうか。ある20代後半の童貞男性はこう語る。
「マッチングアプリをやっていても女性からアプローチされることがない。恋愛にかける時間・コストが無駄に感じてきて、意味がないと思ってきた。セックスも別に女性と付き合ってまでしたいと思わないし、何なら風俗でひとまず童貞を捨てても構わない。とにかく恋愛に対して億劫になっています」(20代男性、以下同)
恋愛や性交渉で得られるメリットよりも、実現するまでにかかる時間や労力というデメリットのほうが、圧倒的に上回っているということなのか。
「……ただ、仕事やプライベートで女性と話していると、僕の話しぶりや態度から『あ、こいつ童貞だな』と勘づかれることもあり、童貞でもかまわないと思うのですが、それに気付かれてしまうと、見下されているようでとてもつらいです。童貞のままだとしても、そっとしておいてほしいのが本音ですね」
――性交渉をする・しない、結婚をする・しないというのは個人の自由だし、その価値観が尊重されるべきであるというのが大前提だ。しかし、我が国の人口減少に歯止めをかけるというマクロの視点で議論した場合、もし今後さらに童貞率が上がっていくとしたら、看過できない社会問題となっていくのかもしれない。
取材・文/文月/A4studio