タバコ部屋でぼやく石破氏も「脱派閥」で意気軒高
もう一人、パーティー券問題をめぐって派閥に批判的な発言を繰り広げているのが、「次の首相」ランキングでは常に上位に入る石破茂・元幹事長だ。1月12日の自身のブログでも「単なるポストと資金の配分機能に特化しているとすれば、国民のニーズとの乖離は明らか」と、派閥の現状に厳しい姿勢を見せた。
だが、自民党関係者は冷ややかにこう語る。
「石破さんだってもともと石破派を率いていたのに、総裁選で惨敗し、一人、また一人と所属議員がいなくなり、派閥を解散せざるをえなくなっただけ。自分だって安倍さんの対抗馬として総裁選に出馬したときには、参院竹下派(当時)の支援を得られたおかげで、なんとか最低限の国会議員票が獲れたのに」
石破氏は今もかろうじて「石破グループ」の会合を毎週水曜日の昼に国会議員会館で開いているが、集まっているのはほとんど石破氏の地元・鳥取県選出の議員で、「本当は派閥になりたいのになれない、ただの自民党鳥取県連の昼食会」(自民党議員)との冷ややかな目が注がれる。
「各社、石破氏の番記者をつけていますが、党内での石破氏の求心力は高くなく、ふだん石破グループの会合の取材に来ている記者はそれほど多くありません。会合後には、近くのタバコ部屋で石破氏がタバコ2本を吸う間、石破氏のぼやきを記者が聞くのが恒例。記者が少ないと『今日はこれだけか……』とつぶやくこともあります。自身が派閥領袖として総裁候補だったころとは様変わりしました」(全国紙政治部記者)