序列や役職を気にするのは政治家もヤクザも同じ

派閥のあり方や政治資金問題の解決のため設置された「政治刷新本部」。しかし、この組織に名を連ねる10人の安倍派議員のうち9人に裏金疑惑があがっており、立憲民主党の長妻昭政調会長は「茶番に近いのではないか」とコメント。

兵庫・明石市の泉房穂前市長もX(旧Twitter)で「『これって“刷新されてしかるべき方々”を集めたってこと?』と一瞬そう思ってしまった」と皮肉った。

しかし、関西に拠点を持つ指定暴力団の古参幹部が注目したのは、そのメンバーではなく、ずらりと並んだ役職名だ。

その役職というのが「最高顧問」「本部長」「本部長代行」「本部長代理」「副本部長」「幹事長」「幹事長代理」「幹事」「事務局長」「事務局長代理」「事務局次長」などなど。

「最高顧問」には麻生太郎副総裁と菅義偉前首相が就いており、その下に「本部長」として岸田首相が入っている。名前を見れば自民党の組織だとわかるが、「代行とか代理とか、どこかの暴力団組織みたいですな」と古参幹部は笑った。

「これだけの役職を設けるのは役割分担というより、それだけ政治家に序列があり、上下関係をはっきりさせないといけないのだろう」

当選回数や役職経験などで立ち位置が決まる政治の世界が暴力団組織と似ているのは古参幹部の言う通りかもしれない。ただ決定的に違う点がある、と古参幹部は説明する。

「暴力団組織では通常、組織図のトップは現役組長だ。たとえ最高顧問という役職がつくられたとしても、その組織のトップは組長であることは変わらない。それは組長という名称が会長や総裁、理事長に変わっても同じだ」