復権のチャンスをうかがう「5人衆」

ここにきて「脱派閥」を訴える菅氏、石破氏の側近による「派閥化」のような動きも波紋を広げている。

「政治刷新本部」が初会合を開いた12日には、両氏の側近ら無派閥議員4人が集まって、無派閥議員の連絡会の立ち上げを発表した。

「会見に臨んだのは、赤沢亮正・財務副大臣、坂井学・元官房副長官ら4人。赤沢氏は今も石破グループに所属していて、石破氏も当選6回で大臣適齢期の赤沢氏を何とか大臣にしてあげたいと、昨秋の内閣改造では、首相に赤沢氏を起用するよう掛け合ったとされています。しかし、派閥重視の首相は赤沢氏を起用せず、その後、税金滞納問題で辞任した神田憲次財務副大臣の後任に就けました。

一方の坂井氏は、菅政権時代に官房副長官を務めた菅氏の側近。ただ、無派閥のため指導してくれる先輩議員がいなかったことが災いし、官邸と国会の調整で不手際も多かった。皮肉にも”派閥の必要性を改めて永田町に知らしめた存在”ともいえ、菅政権から岸田政権に代わってからは、冷や飯組です」(全国紙政治部記者)

石破氏の側近である赤沢氏(本人SNSより)
石破氏の側近である赤沢氏(本人SNSより)
すべての画像を見る

連絡会は政策や選挙準備に関する情報交換をしたり、無派閥議員の考えを発信したりするとして「倒閣運動では全くない」(赤沢氏)と、「岸田おろし」を否定する。

ただ、自民党内からは「国民から派閥に厳しい目が向けられているタイミングで、ここぞとばかりに無派閥派の立ち上げか」と冷めた声が聞かれる。

一方の安倍派。連日捜査の行方が注目されてきた「5人衆」も、立件見送り報道を受け、復活をめざす。

「西村康稔・前経産相や高木毅・前国対委員長らも、役人によるレクを再開し、何事もなかったかのように『これからもまた、よろしくね!』と言っています。安倍派内の役職を辞任することも検討しているそうですが、一定のけじめをつけることで、今後の復権のチャンスをうかがいたいのでしょう」(中央省庁関係者)

早くも復権に向けて動きだした西村氏(本人SNSより)
早くも復権に向けて動きだした西村氏(本人SNSより)
すべての画像を見る

そんな中、岸田首相は18日、「岸田派の解散を検討」と表明した。支持率回復に向けた乾坤一擲の一手ともみられるが、はたしてこの流れは党内で加速するのか? 

「仮に派閥が解消されても、『数は力』で、派閥のようなものはでき、グループごとの権力争いは絶対になくならない」(全国紙政治部記者)

検察VS安倍派の攻防が終わっても、自民党内の攻防は続きそうだ。

※「集英社オンライン」では、政治資金パーティー券のキックバックによる裏金疑惑でついての情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班