「蛇みたいなあの目で睨まれると石みたいに固まってしまう」

しかし集英社オンラインが事件発生当時、取材を進めると裏の顔ともいえる本性が見えてきた。

元同僚の女性は北村被告によるパワハラ被害に遭っていたと明かした。

「私が20代の新米教師のころ、私が担任のクラスの副担任が北村さんでした。説教は基本ネチネチしていて、大勢の生徒の前で自分の力を見せつけるように大声で私を叱ることもありました。同じ学年の先生たちみんなでやるような仕事があっても、自分だけ偉そうに椅子にふんぞり返って見ているだけ。

生徒たちからも『北村先生はとても怖い目をするときがある。蛇みたいなあの目で睨まれると石みたいに固まってしまう』と聞いたこともあります。私が管理職に北村先生との関係を相談すると、今度は露骨な無視が始まりました」

北村容疑者の自宅。30~40代くらいの女性と暮らし、小さな子どももいたという(撮影/集英社オンライン)
北村容疑者の自宅。30~40代くらいの女性と暮らし、小さな子どももいたという(撮影/集英社オンライン)

パワハラ気質は年を重ねて多少落ち着いたのかもしれないが、女性に対する性欲は収まることがなかったようだ。

「北村さんは今の奥さんの前に、別の奥さんがいたんですよ。子どももいました。でも7、8年前くらいに出て行っちゃって、しばらくはおばあちゃん(北村被告の母親)と2人で暮らしていた。3年前くらいにはお腹の大きな今の奥さんを見るようになったので再婚したんだなって思ってました。50歳越えてるのにお盛んだなあって感じましたよ」(近隣女性)

この新しい妻は北村被告とは一回り以上も離れた年齢差があったという。

「再婚相手は、元教え子です。もちろん教え子と結婚すること自体に問題はありませんが、もともとは不倫だったようです。常習的に生徒に手を出していたという話もあります。一連の事件の兆候として、もっと早く周囲や教育委員会が気づくポイントがあったようにも思いますが……」(前出の記者)

12月19日に東京地裁で行われた初公判。検察は冒頭陳述で、北村被告が「当時の勤務先の中学校の女子中学生2人に校舎内やラブホテルでわいせつ行為をし、後で自慰行為に使うなどの目的で動画撮影をしていた」と指摘した。

「罪に問われたのは2人に対するわいせつ行為の動画ですが、29本もの動画にはもっとたくさんの被害者が映されていた。また動画に残されたケース以外にも被害者がいた可能性がある」(同)

「生徒達は新しいことをいっぱい吸収して欲しい」と前述のインタビューで語っていた北村被告だが、生徒が彼から学ぶことはもはやないだろう。厳しい処分が望まれる。

東京地裁(撮影/集英社オンライン)
東京地裁(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班