大衆店がこぞって進出、その背景にはコロナ禍の影響

2022年はダイソーや3coins、ワークマンなど格安店の銀座進出が目立った。いずれも今回のオーケーのように知名度・話題性の獲得を狙ったチェーン店としてのブランド力の強化が考えられるが、大衆店の銀座進出の背景にはコロナ禍の影響が大きいのだと松崎氏は言う。

「2022年というと新型コロナウイルスがまだ流行している時期でしたので、客足が遠のいて売り上げが落ち、銀座価格の高額なテナント料を払えずに店を畳んで出ていく企業が多かった印象がありました。

そして、テナントの入れ替え時期も重なり、撤退した企業の跡地に勢いのある企業が出店していったという流れがあったのです。ご時世柄、勢いがあったのがリーズナブルな価格帯のチェーン店だったということでしょう」

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現在、コロナはほぼ収束したものの、不景気のうえに物価高と日本を取り巻く社会状況は厳しく、消費者の“買い物離れ”が進んでいると言われているが、こういった社会的背景も大衆店の銀座進出に影響があるのかもしれない。

「現在の日本経済の状況が手頃な価格の企業が銀座に進出している要因だと結びつけるのは、早計に感じますので、結論づけられるのはもう少し後になるでしょう。ですが、いろいろな物が値上げされていたり、消費者の財布事情が厳しい状況だったりすると、安い物に人が集まるのは明白です。

おそらく現在の銀座には、ローコストの業態の企業が密集するエリアをつくるという動きがあるのでしょう。ユニクロや無印良品などの集客力があるブランドは、テナント側から「うちのビルに入ってください」と声がかかることもあるそうなので、20代、30代の若い世代も呼び込むため、今後も銀座に大衆的な店が増えていく可能性は高いと考えられます」