意識して他の人の意見に耳を傾け、アップデートしていかないといけない
現在は、母親が娘の教育に口を出しすぎると、青山さんが「もう娘に会わせないよ!」と注意する。すると孫に会えないのは辛いらしく、母親は口出ししたいのを懸命に我慢しているようだ。
「今でも母は、小学校受験の模試の結果とか、ものすごく気にしています。でも昔と違って、今はプロセス重視の子育てに変わってきているということもわかっていません。情報をアップデートさせるために、母に『読んでみて』って育児本を渡したんですが、読まないんですよ……。
結局母も祖母も、人の話を聞かないんですよね。他の人の意見を聞くことってすごく大事なことで、私も毒親の素質があるから、意識して他の人の意見に耳を傾け、アップデートしていかないといけないなと思っています」
子どもに対する愛情を全く感じられない毒親が多い中、青山さんの母親は、〝愛情〟があるがゆえに教育虐待や過干渉に陥ってしまったケースだといえる。
幸いなことは、それでも娘である青山さんが、母親の〝愛情〟をちゃんと感じ取っていたことだ。
「母は、孫が可愛い。私は、お金を出してもらえる。だからお互いに付き合うメリットがある。でも、それだけじゃなくて、私も、母に対して情があるんだと思います。だから娘も私に情を感じてくれたら良いなと思って子育てしています」
子どもを持ってから親の気持ちがわかるようになったという人は少なくない。
青山さんが母親との関係を冷静に分析できるようになったのも、子どもと親ではなく、親と親という立場で母親を見られるようになったためではないだろうか。
母親を反面教師に、娘とは適切な愛情を注ぎ合う、健全な関係を築いてほしい。
文/旦木瑞穂 写真/shutterstock
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