毒母の連鎖は祖母から続いていた

 

「私は子どもの頃から祖母のことが嫌いだったんですけど、それを見て、ちょっともう、『祖母は無理だな、絶縁しよう』って思いました。うちの母はもう60代ですし、太っているし、全然男性受けするような容姿ではないんですよ。なのに祖母に責め立てられた母親が泣き出して、ものすごいカオスな状況で……。

夫と2人で『吉本新喜劇か!』って笑ってしまいました。『ああ、この人のせいなんだろうな』と悟りましたよね。なので、母が毒親だったのは、障害ではないかと思っている部分と、あの祖母のせいだなと思っている部分がありますね」

まさに毒親の連鎖だ。だとしたら祖母の親、青山さんにとっての曾祖父母はどんな人だったのだろう。

「やっぱり地主で、すごいお金持ちだったと聞いています。祖母は何人かのきょうだいの一番下だったらしいんですけど、お姉さんのうちの1人が結核だったそうで、親が、『病気で亡くなる人生ではかわいそうなので、せめて結婚させてやろう』と言って結婚相手を探し、相手には持参金で工場を建ててあげたといいます。その後お姉さんが結核で亡くなると、工場が結婚相手のものになってしまって揉めたとか……」

あげるつもりで建てたのではなかったのか。

「あと、一番上のお姉さんは上場企業の創業者一族のお金持ちの人と結婚して、その後愛人ができたらしく、遺産相続で揉めたとか……。とにかくお金で揉めることが多い家だったみたいですが、末っ子の祖母はあまり可愛がられなかったようです。

結婚相手として選ばれた祖父は小作人の出で、祖母は祖父を見下していました。でも、祖父は頭がいい人だったようですし、祖母は自分の両親が、『子どもたちに教育をろくに受けさせなかったから、落ちぶれていったんだ』と思っていて、母や伯父(母の兄)の教育にはめちゃくちゃお金をかけたようです。

だから当時としては莫大なお金がかかるし、『女に学はいらん』みたいな時代ですけど、母にアメリカ留学までさせることができたのですよね」

青山さんの母親は、幼い頃からこうした話を自分の母親(青山さんの祖母)から何度も聞かされて育ったのだという。青山さんの母親の、「他人に対する疑り深さや学歴至上主義は、こうして培われたのか」と合点がいった。