「おひとりさまリスク」を考えると「生き方」がみえてくる

——具体的な「おひとりさまリスク」対策を行う前に、検討すべきことはありますか。

まずは自分と向き合って、人生に対する考えや希望を洗い出してほしいです。例えば、何歳まで働くのか、どんな老後を送りたいのか、その老後はどこで迎え、どんなことをやりたいのかなどです。そのなかで、独身を通した場合、結婚して子どもをもうけた場合など、いくつかのパターンで考えておくとよいでしょう。

「奥様に拘束衣をつけてもいいでしょうか?」大山のぶ代が認知症を発症する前に経験した、知られざる2度の闘病生活。その病名と実情とは_3

親が亡くなっても 遺産がもらえるとは限りません。そして、最期まで自分の面倒を見てくれる子どもがいるとも限りません。だからこそ「おひとりさま」で完結できる老後を考えてみてはどうでしょうか。

年齢を重ねてわかったのは、人は年をとるほど「やらなければいけないこと」よりも「楽しいことや得意なこと」を優先しやすいことです。そういった意味でも「おひとりさまリスク」に備えるのは早いほうがよいと思います。

人はいつか必ず死ぬからこそ、今から「どんな生き方をしたいのか?」を考えてみてください。

そしてこの情報過多な社会のなかで広くアンテナを張り、多くの書籍などから情報を得てみてください。信用できる専門家や企業などをみつけ、正しい判断ができるような礎を築いていただけたら嬉しいです。

取材・文/金指歩 写真/shutterstock

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#3『「自宅で倒れて一番困るのは浴槽の中」…夫婦で暮らしいても起こりうる「孤独死リスク」防ぐ方法は?』

『あなたが独りで倒れて困ること30』(ポプラ社)
太田垣 章子 (著) 
「奥様に拘束衣をつけてもいいでしょうか?」大山のぶ代が認知症を発症する前に経験した、知られざる2度の闘病生活。その病名と実情とは_6
2023年11月8日発売
1,760円(税込)
279ページ
ISBN:978-4591179697
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