個人差が大きい70代
いよいよ70代です。これまでの多くの本でお伝えしてきましたが、80歳の壁を破り、幸せな老後を送ることができるか否かは、この70代の過ごし方にかかっているとわたしは考えているわけです。
わたしがこれまで接してきた高齢者の多くの方に共通するのが、60代までは気にならなかったことが、70歳を過ぎるとどんどん増えてくるということです。体力は言うに及ばず、気力もそうですが、そういったことが見た目にもあらわれて、同じ70代でも個人差が顕著になってきます。
はたして、自分はどのようになっていくのでしょうか。これまでの人生を振り返れば、60歳からの10 年などあっという間のことだと思います。実年齢よりも若い70代となるのか、はたまた老け込んだ70代となるのか、これから描く70歳の地図も、これまで接してきた多くの先輩たちの姿が参考になります。
忍び寄るうつ状態
3年以上に及んだコロナ禍の影響はわたしたちの生活に大きく影を落としましたが、とくに多くの高齢者を家に閉じ込めてしまいました。
ただでさえ70歳を過ぎると運動機能が低下し、どこにも出かけずに家で過ごしていたほうが楽だし、誰にも迷惑はかからないだろうと引きこもりがちとなりますが、運動機能が低下しているわけですから、そのような生活が続けばからだを動かすこと自体を面倒に感じるようになり、それこそ歩けなくなってしまったり、自由に動けなくなったりするリスクが高まります。
そればかりか、誰とも話さず、変化のない毎日を送れば、心の元気もなくなって、心身ともに衰えた覇気のない老人になってしまい、自覚のないなか知らず知らずのうちにうつ病や認知症を発症する危険性すらあるのです。