「昔のホストは礼儀正しかったのに今は…」
時刻は朝5時すぎ。アフター終わりのホストとおぼしき男性らが道端で立ちションや嘔吐しており、なかにはパンツを脱いで半裸で寝ている者もいた。しかし、ホス狂は元気だ。まだ飲み足りないのか「もちろんカラオケ行くっしょ!」と元気に歩く女性も。これから朝から営業する二部のホスト、通称朝ホストに行くのだろう。
歌舞伎町ホストの現状をこの街で働く人々はどう見るのか。20年ほど歌舞伎町でキャッチをする40代の男性はこう言う。
「20年くらい歌舞伎でキャッチしてますけど、昔はビシッとスーツを着た礼儀正しくてプロ意識が高いホストが多かった。今はテレビやSNSの影響で遊び感覚でホストになるから、調子に乗ったホストが増えたよね。そういうやつに注意すると『あ? 殺すぞ』『死ね』とか平気で言ってくるんで、マジで頭にくるよ」
タクシー運転手をする50代男性も同意見だ。
「そりゃホストなんて大嫌いだけど、アイツらは金払いだけはいいから、仕方なく乗せてるんですよ。
でも『今の信号行けただろ!』とシートを思いっきり蹴ったり、『その料金高いんじゃない?』と突っかかってくるヤツもいる。以前、後部シートにゲロ吐かれて、クリーニング代を請求したらトラブルに発展したこともあります」
ホストクラブが入居する雑居ビルの管理人をしているという60代男性はこう話す。
「昔はゲロやしょんべんに加えてウンコが落ちてることもあったから、その点では今のほうがマシ。でも昔のホストは『おはようございますー』『お疲れさまですー』と声をかけてくれたし、根はいい子なんだろうなって。今のホストはあっちから挨拶してくれることはほとんどないし、階段でタバコを吸っているのを注意したら舌打ちされる。ちょっとさびしいよね」
時代とともに移り変わっていくホスト業界。岸田文雄首相は11月20日の衆議院本会議で、悪質なホストクラブに対する対策や、相談対応の強化などに取り組む方針を示し、立憲民主党が対策を盛り込んだ法案を今国会に提出する見通しとなっている。
悪質ホストクラブの浄化こそ、これから求められることなのだろう。
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取材・文・撮影/集英社オンライン編集部ニュース班