グミの袋には「HHCH」とプリントされていた
祭りの舞台となったのは、JR武蔵小金井駅から徒歩20分ほどの場所にある「都立武蔵野公園」の一角(通称・くじら山)。コロナ禍以降およそ4年ぶりに”制限なし”で祭りが開催されるとあって、当日は延べ3~4千人もの来場者が訪れたという。
過去に何度か「武蔵野はらっぱ祭り」に参加したという男性(50代)は、祭りの印象についてこう語る。
「『武蔵野はらっぱ祭り』が始まって間もない1990年ごろは、ヒゲ面やロン毛にタイダイ染めのシャツといった、いわゆるヒッピースタイルの人たちがお店を出したりステージで演奏したりしていて、ちょっと怪しげな雰囲気はありましたね。それこそ20年ほど前には大麻解禁の署名を集めようとした参加者もいたらしくて、それが問題となり、何年か開催中止になったこともありました。でも、ここ数年はそういう怪しげな人たちもあまり見かけなくなったし、ふつうの市民の方たちがお店を出したりして、親子連れの参加者も多かった印象です」
祭り会場にはリサイクルバザーや、ケバブ、チベット料理などの飲食店をはじめとした50店舗近い数の屋台が集まった。中央のステージではバンド演奏なども行われていて、まるで”野外フェス”のような盛り上がりを見せていたという。
異変が起きたのは、4日の昼すぎのことだった。参加者の男性(40代)が配っていた「グミ」を食べたという10~50代の男女6人が吐き気などの体調不良を訴え、そのうち5人が病院に搬送されたという。社会部記者はこう解説する。
「グミを配っていたのは白杖をついた男性(40代)で、『よかったら食べない?』などと言いながら、ポケットから1粒ずつ出して手わたしていた。この男性が持っていたグミの袋には『HHCH』とプリントされており、大麻由来の『THC』に似た成分が含まれていた可能性があるとして、警視庁がグミの成分の鑑定をすすめている」
この”大麻グミ”を配っていた男性は警察の調べに対し「食べると元気になると思い、他の人にも食べてもらいたかった」などと話しているという。