上の世代が散々食い散らかしたあとに登場したZ世代
――世代論には一定の関心が寄せられる一方で、常に「そんなに画一的じゃない」といった批判にも晒されます。
世代論は疑似社会問題であるということを前提にする必要があると思います。
本来は連帯できる人々を、世代で区分し、対立構造をつくることで、分断をあおるのが疑似社会問題です。世代論は常にそれをはらんでいる。Z世代も上の世代が散々食い散らかしたのちの社会に住むことへの反発から、世代間の連帯の原動力になっているところがありますけど、本当に敵は上の世代全部かというともちろんそうではないわけで。
世代論は、連帯の道具でもあるし、あまりそれを強くすると、「あーめんどうくさい世代だ」と思われてしまう。世代論は、あまり声高に叫ばない方がいいなという意識はあります。親世代が異常に声高な「団塊の世代」で、その世代を見てきた反省も含んでいます(笑)。
#2へつづく
#2 小室ファミリーと家父長制、地方出身の象徴ウッチャンナンチャン、山口智子主演ドラマに見る理想の女性像の変化…90年代芸能界のなにを消費していたのか
取材・文/おぐらりゅうじ