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恩師からのメール

前略 ムラシン、そちらはいかがですか。僕の想像の限界をはるかに超えた状況でしっかりやっていることと思います。
大忙しの中、恐縮ですがお願いがあります。日本の学生たちにムラシンからメッセージを書いて送ってほしいのです。10行でもかまいません。6行でもいいです。短くてもいいので、いつもムラシンが言ってくれていること。そして実践されていること。
“実現できるとかできないとか、そんなこと関係なく、心からの夢を描こう。それはきっと実現できるはずだと、僕も信じて生きている”ということを伝えてほしいのです。
いまの状況は、それどころではないのかもしれない。でも、だからこそ、他のだれにも伝えられないものを伝えられるのではないか。
どんなに短くてもいいです。ぜひよろしくお願いします。

これは、国境なき医師団ではじめて海外に派遣されて数か月が経ったころ、キャリアデザインスクール「我究館」の館長、故・杉村太郎さんから頂いたメールだ。僕はスーダンのダルフール地方という、のちに30万人もの住民が犠牲になった紛争地にいた。

日本のような国にいて、夢を追いかけないのはモッタイナイ…紛争地から日本の若者へのメッセージ_1
(写真はイメージです)
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「なにもかも異なるこの地から、日本の人たちにいったいなにを言えるんだろう?」

僕は、正直いってとまどった。まだなにも達成していないばかりか、紛争地のあまりの現実に圧倒されている自分。

国内避難民キャンプにある病院では毎日患者が押し寄せ、6つあるプロジェクトのスタッフからサプライ・ロジスティシャンである僕に要望が集中。

「あの薬を注文したのにまだきていない」「この手術器具は質が悪い。新しいのが大至急ほしい」など、緊急のリクエストが滝のようにくる毎日。それまで海外経験のほとんどなかった僕が、突然ダイブした人道援助の世界。

ストレスが重なるなか、食事も現地の味付けが口に合わず、体はどんどんやせ細っていった。
そんな僕が、どんなメッセージを送れるのか。