芸とユーモアとジョークの上に成り立つ「ブスいじり」
――(笑)。でも芸人としての生活は一変したんじゃないですか?
もちろん金には困らなくなりましたけど、私は早起きとかも苦手だし、忙しいことに慣れていないので「ちょっと参っちゃったな」という感じは少しありましたね。そもそも「エンタの神様」に拾ってもらったのも、その日たまたま「ルミネtheよしもと」でやった漫談のなかの一言がきっかけだったんです。
当時、給料がいいという理由で中野のキャバクラで働いていたんですけど、同僚(キャバ嬢)にはムカつくわ、店長に給料を持ち逃げされるわ、とストレス続きで、その腹いせにクソみたいなキャバ嬢の悪口を10分間ネタにしてたんですね。そこで私が言った「ハァ?!」って一人ツッコミにプロデューサーが食いついてきて、のちに「マジャ・コング」としてエンタの神様に出演することになったんです(笑)
――そういった毒舌?を続けてきたまちゃまちゃさんだからこそ、昨今の「ルッキズム」の風潮を憂いている?
個人的には、芸とユーモアとジョークの上に成り立つ「ブスいじり」は全然あってもいいと思うんですよ。そりゃ、急に地方の営業で芸人さんとの絡みに疎い司会に「いやあ、ブスですねえ」なんて言われたら「殺すぞオラ」ってなりますけど、一流の方にイジってもらえるなら「どうぞどうぞ」って感じ。
それこそ『トレンディエンジェル』はハゲネタですし、『ブラックマヨネーズ」さんもコンプレックスを押し出してました。やっぱり一等賞獲れるくらいの容姿イジりはただただ爆笑ですよ。もっとみんなでお笑いを楽しめていた時期を知っているので、何もかも守られすぎるのは違うし、それを外野がとやかく言うのも違うんじゃないかな?と思いますね。
――そういった「容姿いじり」への思いが、YouTubeで話していた「ブスが一番おもしれえのに」という発言につながったんですね。
だって、ブスとかオバサンが必死になってたら面白いじゃないですか(笑)。それこそ最近は、SNSにキラキラした子とか多いですけど、あの人たちに街を歩いていて会ったことあります? ないですよね?
世の中の大半はこっち(ブサイク)側だと勝手に思ってるんです(笑)。だからブスであることをチャンスだと自覚できている子には、「大丈夫よ、もっと笑いを取りにいきゃいいじゃん」って声をかけてあげたい。ブスであることに自覚のある子は、他の子よりも少しだけ強いんですから。
後半では、現在の彼女の破天荒な生活ぶりと、その酒豪伝説について詳しく聞く。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
写真/松木宏祐