優しい人だと思っていたのですが…

別の住民男性は、唐沢容疑者らしき女性を一度だけ見かけたことがあった。

「僕も7月ごろに、やせ細って目が血走ったネコをエントランスで2匹見ました。事件の発覚後、警官に1階の女性のことを聞かれたので思い出したのですが、マンションの外で一度だけ会ったことがあります。朝4時ごろに起きてゴミ捨てに行くと、マンションの外の郵便受けと宅配ボックスのあたりに50代くらいの女性が座り込んでタバコを吸っていました」

ネコは痩みなやせ細っていたという(住人提供)
ネコは痩みなやせ細っていたという(住人提供)

男性は驚きつつも挨拶すると、その女性は「おはよう」と返事をしたという。よれよれのスウェットの上下に白髪混じりの風体だった。

「このマンションに年配の方はいないので、最初はここで休憩してるだけかとも思いましたが、マンション内に戻ろうとオートロックを開錠しようとすると『空いてるから入れるよ』と女性に声をかけられました。女性は自動ドアのセンサーの反応する場所に荷物を置いて、ドアが閉まらないようにしてくれていたんです。優しい人だと思っていたのですが…」

なぜ、唐沢容疑者と暮らす猫たちがいつの間に30匹近くまで増え、ネグレクトされるようになったのか。いずれにしても人間の都合で猫たちの生命が危険にさらされるようなことは、愛猫家ならずとも耐え難い蛮行だ。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班