近所の住宅でたくさんの野良猫が繁殖

――いつから「保護猫活動」をされているのですか?

斉藤倫(以下、同) 2011年の秋頃に本格的な保護活動を始めました。それ以前から、街にたくさんいる野良猫たちを見て、この子たちどうなっちゃうんだろう、どう関わっていったらいいんだろう、とずっと気になっていました。当時、保護猫活動をされている猫ボランティアの方のブログを興味深く読んでいて、野良猫との関わり方や保護の仕方、それまではよく知らなかった不妊・去勢手術やTNR(※)について学んでいました。

※野良猫の繁殖を防ぐため、捕獲器で捕まえ<Trap>、不妊・去勢手術を施し<Neuter>、元いた場所に戻す<Return>こと

当時、私は猫を3匹飼っていたのですが、次は保護猫を迎え入れたいと思っていたこともあり、その方から姉弟猫を迎え入れました。そこからさらに、猫の保護について相談したりアドバイスをもらったりするようになりました。

近所に大量繁殖の“猫屋敷”。いざ立ち上がった「ノーにゃんこ ノーライフ」な漫画家_1
斉藤さんが迎え入れた姉弟猫のココ(雌12)とチカ(雄12)
すべての画像を見る
近所に大量繁殖の“猫屋敷”。いざ立ち上がった「ノーにゃんこ ノーライフ」な漫画家_2
ケンカするほど仲がいいココとチカ

保護猫活動の始まりは、野良猫が増えてしまっている近所のお屋敷での活動です。お屋敷の隣にあるコンビニにも猫がやって来ている状態で、私もそのコンビニに行くときに見掛けたり、家に通ってくれているアシスタントさんからも「今日はあの子がいた」という話を聞いたりしていて、野良猫がたくさんいるんじゃないかと心配になっていました。このまま放っておいたら大変なことになる、この子たちをなんとかしなくちゃと思い、先ほどのボランティアの方のご友人で、TNRの大ベテランである埼玉のボランティアさんに相談しました。

まず、そのお宅に住む高齢のご夫婦に、「このままどんどん猫が増えてはいけないから、不妊手術に協力させていただけませんか?」とお話ししました。すんなりご理解いただけたので、埼玉の方や近所の保護ボランティアさん、ときにはアシスタントさんにも加わってもらいながら捕獲作業を行いました。トラブルになってはいけないので、最寄りの交番やコンビニの店長さんにも捕獲作業の計画や日程を伝えてから実施。屋敷の敷地内や隣接する道路の脇などに10台ほどの捕獲器を設置しました。

近所に大量繁殖の“猫屋敷”。いざ立ち上がった「ノーにゃんこ ノーライフ」な漫画家_3
野良猫の捕獲器。猫は病院で不妊・去勢手術をして、元にいた場所に戻す