クマの人的被害は過去最悪ペース

他の周辺住民も一様に「山は遠いのに、なぜこんな平らな場所まで出てくるのか」「5年程前から人里に降りてくるようになった」と話す。

ちなみに女性を襲撃したと思われるクマの足取りは今もつかめていない。

今後のクマ対策について富山県庁の生活自然保護課の担当者はこう答える。

岐阜県にある奥飛騨クマ牧場のツキノワグマ
岐阜県にある奥飛騨クマ牧場のツキノワグマ
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「現在、富山県内には1460頭ほどのクマがいるとされています。同課ではクマ管理計画として年間の捕獲上限数を設定しており、令和5年は162頭減らすことが目標で、現在56頭を仕留めました。今後も市町村で警察を中心にパトロールを強化し、個体が確認されれば檻での捕獲や銃での駆除といった対処をしていきます」

環境省によると、今年4月から9月までのクマによる人的被害は全国15の道府県で109人。国が統計を取り始めて以降、過去最悪と言われていた3年前を上回るペースとなっている。

行動範囲を広げる本州のツキノワグマ。自治体の駆除作業は急務、かつ命懸けとなってくるだろう。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班