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「家にいるときも必ず手帳は持っていて…」

教育者としての評判も高く、バンドや劇団にも所属して活動、と順風満帆な人生を歩んでいた教頭Aに“16人との不倫”が発覚したのは、2019年5月のことだった――。

自室のタンスから見つかったのは、不倫相手との逢瀬を克明に記した20冊分の「三重県教職員手帳」に加え、不倫相手と撮ったプリクラや、性行為を撮影したSDカード。当時の心境について、「なにもかもが一瞬にして崩れ去る感じだった」と語るのは、25年間にわたり夫のAに連れ添ってきたという元妻のB子さん(50代)だ。B子さんは集英社オンラインの取材に、時折声を詰まらせながらも心境を語った。

ギターを弾くA教頭(知人提供)
ギターを弾くA教頭(知人提供)

「浮気が発覚するまでは、家族サービスもたくさんしてくれる『よき夫でいいパパ』だと思ってました。Aは私より年上でリードしてくれるし、どんなに仕事が忙しくても、家族との時間は大切にしてくれる。毎年1回は、祖父母に子どもをあずけて夫婦旅行にも出かけていました」

B子さんはAが30歳のころに結婚。新婚当時からAは人権教育に力を入れており、仕事の都合で帰りが遅くなることも珍しくなかった。それでもB子さんが「この時間は子どもの面倒を見てほしい」と頼むと、職場を“中抜け”してでも自宅に戻って育児に励み、土日も家族サービスに徹していた。だが、いつも「手帳(三重県教職員手帳)」だけは肌身はなさず持っていたという。

裁判でも提出されたAの教職員手帳の一部(知人提供)
裁判でも提出されたAの教職員手帳の一部(知人提供)
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「家にいるときも、出かけるときも必ず手帳は持っていて、当時から『この人やたらメモするな』とは思っていました。でも、これまでA以外の男性と付き合ったこともないし、私は年下だったので『大人の男性ってこういう感じなのかな?』と、とくに不審に思ったことはありませんでした。

私がトイレやお風呂から戻ってくると、Aはいつも手帳をパタッと閉じていましたが、むしろ『手を止めて私の話を聞いてくれようとしてる』と思っていたので、まったく疑うという概念がなかったんですね。あと、カバン類も絶対に触らせてくれなくて、ちょっとでも持とうとすると『いや、大丈夫、大丈夫』と言って避けようとしてきました。でも当時、私はそこまで深く考えていなかったんです…」(同)