ハードコア弁当、その揺るぎなき自己肯定こそが、最高のおかずだ。
ハム2枚で「セレブ」批判も受ける
ホイップ坊やさんは毎日、ハードコア弁当の写真をネットにアップしている。過去の傑作をご紹介しよう。ハードコア弁当の基本形は、白米に味が濃いおかず(それもスーパーで安売りになっていたもの)をひとつだけ乗せること。たとえば「コンビーフ」などは、ひと切れだけでもおかず戦闘力は高い。
「ハムステーキ」も定番だ。これを見たホイップ坊やさんのバイト仲間が「令和の日の丸弁当だ」と感動したという。
一方で不評だったのが、「生ハム」を乗せたとき。生ハムの塩気で米が進むというのだが……。
「生ハムというオシャレな語感にカチンときたのか、友だちから『変わっちまったな、お前も』『セレブかよ』とか散々でした」
ハム2枚でこの言われよう。なかなか厳しい世界である。
他にも「マカロニサラダ」「チヂミ」で彩りの変化を楽しむこともできる。
「マカロニの代わりにポテトサラダでも意外に米が進みます。でもチヂミの代わりにお好み焼きはまだ試したことはありません。なんか違う気がして」
あんまりチヂミと変わらない気もするが……。
失敗もある。スーパーで袋入りの「なめこ」を買ってきて、そのまま白米の上にオン。バイト先の電子レンジで温めると、なんともいえない臭気が漂ったのだとか。「恐らくなめこを下処理してから載せるべきだったんでしょう」(ホイップ坊やさん)
ハードコア弁当を詰める巨大なタッパー
このハードコア弁当はどのように作られるのか。ホイップ坊やさんから「3ステップ作成術」を教えていただいた。
「あとは冷凍したものを職場に持っていって、電子レンジで温めるだけです。これだと週末に5日分のお弁当を一気に作れます」
と、ここで、気付いた人がいるだろうか。ひとつのタッパーにご飯1合も入るのか……。そう、比較対象となるものが写真に写っていないが、実はハードコア弁当で使用されているタッパーは巨大なものだ
「いろいろ有名メーカーのものとか試してみて、大きさや強度からイオンで売っている850ミリリットルのものに辿り着きました。僕はこれを15個くらいもっていますよ」
サイズは縦203ミリ×横138ミリ×高さ(深さ)63ミリというもの。人の顔ぐらいある。とはいえは最新型のMacBookProより二回りぐらい小さいので、これからは、デキるビジネスマンの鞄の中はMacの隣にハードコア弁当、という時代も来るかも知れない(厚みは4倍くらい違うが)。