#1
#3

生涯未婚率の上昇はいつから?

どうすれば「結婚しない」若者の増加を止められるのでしょうか。

それを知るために、ここからは逆説的に、なぜ、そしていつから、若い世代が結婚しなくなり、一部が「結婚するつもりはない」と考えるようになったのかを見ていきます。

日本で「生涯未婚率」の上昇が顕著になったのは2000年代以降ですが、適齢期(25〜34歳)の「未婚率」が男性で5割超(52.5%)、女性で3割超(34.0%)にまで急伸したのは、’95年のことでした(「国勢調査」)。

1990年代半ば以降、なぜ「結婚しない(できない)」若者が増えたのでしょうか。

国が貧乏になっても変わらない日本女性の「上昇婚志向」…結婚相手に求める最低年収「400万」は平均年収を上回る_1
すべての画像を見る

社会学上、よく言われる要因は、(1)バブル崩壊と経済不況(2)女性の社会進出、です。私は、大手企業各社と二十余年にわたり「世代」の研究を続けてきたので、まずはカギを握る世代を軸に見ていきましょう。

(1)において、最大のカギを握るのは「団塊ジュニア世代(’71〜’76年生まれ/現47〜52歳)」、別名「貧乏クジ世代」だと考えられます。

彼らは、終戦(第2次世界大戦の終結)直後に生まれた「団塊世代(’46〜’51年生まれ/現72〜77歳)」の子世代で、日本で2番目に人口が多い世代です。ゆえに、常に競争の荒波にもまれ、そのうえ不況で貧乏クジを引かされた、とされています。

多くは’89〜’94年にかけて、厳しい受験戦争(大学)を強いられました。また、’91年3月にはバブル経済がはじけ、大半が’93〜’05年ごろまで続いた「就職氷河期」にも当たってしまいました。

キャリア未来地図研究所の共同所長、千葉智之氏は「内閣府のレポートなどを見ると、当時の新卒生の2〜4割が『就職難民』になったと考えられる」といいます。

就職後も、金融や生命保険業界を皮切りに「人員削減(いわゆるリストラ)」が相次ぎ、未婚男性たちは「目の前が真っ暗になった」や「妻子を養う自信がない」などと口にし始めました。とくに、’97年の山一證券と’98年の長銀(日本長期信用銀行)の経営破綻については、相当ショックが大きかったようです。