おしゃれはしょせん「洒落」だから、失敗してなんぼです
日本人は真面目な性格の人が多くて、失敗は許されない風潮があるとよくいわれますが、ファッションでもそうなんです。「失敗しないおしゃれ」って、昔の雑誌の特集タイトルによくありましたよね。でも、何をもって失敗、成功なのかわからない。成功も失敗もそれぞれの価値観で決めるものですから。
全国的に人気の高い、ある外食チェーンの社長が、七、八割の人がおいしいと思うものを提供しているとおっしゃっていたことがあります。十人食べて十人がおいしいと思うものは商品化しない、と。個性がなくなりすぎてしまうからですね。
ファッションも同じで誰にでも似合うものはなくて、十人のうち、二、三人もしくは、もっとたくさんの似合わない人がいるものです。同じ体重、同じ身長でも、肩幅やウエストの太さ、胸の大きさなど、パーツ一つひとつがそれこそ十人十色。通販のコメントなどにある、「私には似合いませんでした」ということは、あって当たり前。
たまたま似合わない二、三割に入っちゃっただけなんです。もし万人に似合う服があったとしたら、そんな服はあまりにも個性がなさすぎで、おしゃれとはほど遠いものだと思います。
だって、おしゃれって、「洒落」なんですよ。
どんな失敗も許さないなんて、それこそ「洒落」がなさすぎです。おしゃれなんて、失敗してなんぼ。失敗したら笑い飛ばして肥やしにすればいいだけです。