そもそもゴールが存在しない

――水原さんにとって初めてセルフプレジャーを経験したのは何歳ごろなのでしょうか。

モデルとして活動するために東京に出てきて間もないタイミングだったと思います。ハタチになる前くらいかな? 初めて使ったのは、ちょっと隠したくなるようなデザインのものでした。なんというか男性目線で作られたような。

――その後、2013年に「iroha」が誕生しました。

ネットショップかな、いや渋谷のドン・キホーテか、秋葉原の「エムズ」だったのかもしれない。一目見て「なんてかわいいの!」と感激しました。これはまさに女性によって作られた女性のための商品だなって一目惚れしました。それで「iroha(イロハ)ゆきだるま」という商品を購入したんです。

――実際に使用されてみて、いかがでしたか。

見た目がなんといってもかわいかったのと、バリエーションがすごく豊富にあって、いろいろと選べるのもよかった。まるで服やアクセサリーを買うのと同じ感覚でプレジャーグッズを買えることが、それまであり得なかったし。

もちろん機能性もすごかった。入れ物や充電の仕方とかもオシャレで、セルフプレジャーグッズ業界のAppleみたいな感じがしたんです(笑)!

――セルフプレジャーアイテムについてお友達と話したりすることはそれまであったのですか。

もちろん、誰とでもその話ができるわけじゃないけど、当時は「SEX and the CITY」でキャリーたちがお茶を飲みながらプレジャーグッズの話で盛り上がるかのように、仲のいい子とは気軽に話してました。モデルの先輩とかともそんな話になることもあったりして。恋愛の話と同じように自然の流れで。

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――水原さんにとってセルフプレジャーとセックスとの違いはなんでしょうか。

人それぞれだと思うんですけど、私にとってはやっぱりその直感に従って「今日疲れたな」とかストレス解消だったり、気分で行うものがセルフプレジャーだと思うんです。自分の体の状態を知る行為でもあるというか。

私、セルフプレジャーにおいてはオーガズムに達することがゴールだと思ってないんです。どうしても達せない時ってあったりして、そういう時ってなんか「疲れてるんだな」とか自分の精神状態も知ることができる。

――一方で、セックスにおいてもオーガズムがゴールではないと考えますか?

ゴールじゃないですね。私はやっぱり好きな人としかセックスできないんです。お友達などの中には愛情とは関係なしにセックスを行為として楽しめる子もいて、それは私に取ってはうらやましいぐらいで。以前は試みたこともあったけど、愛情のないセックスはストレスのほうが大きい。

だからセックスって、なんなんでしょうね。英語ではメイクラブって言いますよね。愛し合ってこその、楽しめるものだと思っています。やっぱり作業みたいな感じになるのは私的には嫌だし「愛してるよ」という気持ちの流れで行うもの。だからもちろん、オーガズムというゴールはないし、そもそもゴールが存在しないと思うんです。

水原希子がiroha10周年記念会見で「10年前からファンでした」と告白。熊田曜子、藤田ニコルら女性芸能人も続々「カミングアウト」の理由_6



――日本の女性の中には「イケない」ことを悩みにしている方もいますよね。

もちろんバランスが大事だと思うんですけど、やっぱりオーガズムをゴールにしちゃうと、本当に目的がそれだけひとつになっちゃうので、お互いを思いやる気持ちや、愛を爆発させたりとか。いろんな形があっていいと思うんですね。

それにセックスはいろんな種類があると思うんです。挿入したまま動かないポリネシアンセックスのようなものとか。本当に掘れば掘るほど、スタイルはさまざまだと思うんです。

――スタイルがさまざまなセックスにおいて「iroha mai RURI」もパートナーと共に楽しめる商品でしょうか。

もちろんです。普段とはまたちょっと違う刺激みたいな感じで取り入れてもいいと思いますし、それこそ「セックスでイケない」ことを悩む女性にとっても、もしかしたらパートナーと使ったらイケるかもしれないし。

お互いの体だけの刺激で完璧を求めてストレスがかかるのは良くないと思うんで、やっぱり「iroha mai RURI」やプレジャーグッズの力を借りながらっていうのは…いいんじゃないかと思います。

「「iroha mai RURI」がみなさんにとっての何かしらを解放するきっかけとなったら」と、勇気をくれた水原さん。今年秋に発表される第二弾商品も楽しみに待ちたい。

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取材・文/河合桃子 撮影/石田壮一