芸能界を引退しようとしたことは何度もあった

――ここで聞いちゃいますが、これまで、完全に芸能界を引退しようと思ったことは、なかったんですか?

う〜ん、思うことはあるんですよ…時々。でも芸能活動辞めようと思っても、いつも誰かしらが、これ以上先にいっちゃ駄目みたいな行き止まりを作ってくれる。

――行き止まりですか?

行き止まり! 私の中ではここの線を越えたら引退〜みたいな線があるんだけど、行こうとしても誰かしらそこにいて、行き止まりになってるんですよ(笑)。


――そういう感覚なんですね。ハロー!を出たときは、芸能活動を辞めようとは思ってなかったんですか?

どこの事務所に行ったとしても、一生私は自分のやりたいことをやれないかも知れない、舵を取るのが自分じゃないかも知れない、だから芸能界を辞めたほうがいいかも…ともすごい思ってたんですよ。
そうしたら、松浦社長、現在の会長が「うちに入らなくてもいいから、とりあえずLAに行ってダンスレッスンとかしてみれば」「…じゃあ、行ってみます」って、そんなノリだったんですよ(笑)。

――そんな感じで、ロサンゼルスに行ったんですね。

LAでダンスレッスンとかボイトレをやっていく中で、もうね、すごい打ちのめされたんです…今まで私がやってきた活動が、ものすごいちっぽけに感じて。もう一気に、広い世界を見てしまって、視野が広がったんですよね。もっとできることあった、手を出してこなかった部分いっぱいあった、と思って、そのままの流れでavexに入り、いい感じになったという。
だから、その時の行き止まりは、松浦会長です。松浦会長がああいう風に言ってくれなかったら、芸能界引退していたかも知れない(笑)。

――なるほど、そうだったんですね。それ以前に、行き止まりになってくれた人は?

一番はやっぱり家族なんですけれども、モーニング時代にも「もう辞めてやる!」っていう大きなのがあったんですよ。ちょうど「I WISH」の頃ですね。シドニーオリンピックの応援に行く時に「私は行きません。飛行機に乗りません。このまま辞めます」って、その時のマネージャーの和田さん(和田薫。モーニング娘。の初代マネージャー。現在はハーモニープロモーション代表取締役社長)に言ったんですけど、なかったことにされて、いつの間にかシドニーに行ってました。

――!!(笑)。

多分和田さんの所で止まってて、完全にスルーされた(笑)。まあそうしてくれなければ、現在の私はないでしょうから、いま考えるとありがたいです。

後藤真希36歳の真実 Part.1 「芸能活動辞めようと思っても、いつも誰かしらが行き止まりを作ってくれる」_b

現在の活動について語るPart.2へ続く

撮影/キンマサタカ
取材・文/岩岡としえ