性被害を受けた少女はなぜ、売春することを選んだのか?
少年院や刑務所で売春歴のある女性にインタビューをすると、幼い頃の性的虐待や性犯罪に巻き込まれた過去を淡々と語られることが少なくない。
「小学生の頃からお父さんに性的虐待を受けてきた」
「中学時代、先輩に毎日のように呼び出されて性行為を強要された」
「見知らぬ人から突然襲われていたずらをされた」
そんな話を数えきれないくらい聞いてきた。統計によれば、女子少年院にいる女性の約6割が第三者からの性被害にあった経験があるという。
かつてベストセラーとなった『AV女優』 (永沢光雄、文春文庫)など性産業で働く女性たちの告白本が多く出版されているが、そこで同じような体験談を見つけることも多いだろう。
性被害によって傷ついた女性たちはなぜ、あたかも古傷をえぐるかのごとく夜の街に吸い込まれるのだろうか。
性犯罪が、長年にわたって被害女性を苦しめるリアルについて、拙著『虐待された少年はなぜ、事件を起こしたのか』をもとに見ていきたい。