ストリートピアノは営利利用は禁止だが…

「YouTuberなのかな。やけに上手な方がいたので、ピアノの近くまで行って聞いていたら、スマホで演奏者を撮影していたスタッフみたいな人がこっちにカメラを向けてきてビックリしました。
自分も動画に映るかもと思って、ちょっと不安になりました」(40代女性)

墨田区の文化芸術振興課の担当者はこう話す。

「両国駅構内のストリートピアノはこれまで騒音トラブルなどの苦情が寄せられたことはほとんどありません。
しかし、場所がらSNSなどに演奏動画をアップされる方も多く、通行人の方を映すように撮影されている方も見受けられました。
そのような状況からこちらで自撮り用スマホスタンドを用意し、これを利用してもらうことで見学する方の映りこみがなくなるよう対策しました」

利用にあたっての注意書き
利用にあたっての注意書き
すべての画像を見る

記者が訪れた日も自撮り用スマホスタンドを使って、自身の演奏を撮影する人の姿もあったが、本人しか映らないように配慮はしているものの、演奏に集中しているのか、「1回5分まで」と定められたルールを超えて演奏している人もいた。

また、別の理由で、弾いてみた系YouTuberを批判する人も。

「何度か某有名YouTuberの生ストリートピアノを聞いたけど、彼らが配信する動画ではずいぶん編集で音をいじってるよね。
ステージに立つ人が本番の練習もかねて利用したり、音楽を楽しむためにストリートピアノを弾くのはいいけど、音をいじってまで金稼ぎに使うのはどうかと思う」(30代男性)

演奏系YouTuberがストリートピアノでの演奏動画を動画サイトに投稿して、収益につなげることが「営利活動」にあたるかどうかは判断が難しいが、目立つことを目的にマナー違反が相次ぐようであれば、動画投稿用の演奏を制限することも考えなくてはいけなくなってしまう……のだろうか。


※「集英社オンライン」では、ストリートピアノや演奏系YouTuberに関するトラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(Twitter)
@shuon_news  


取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班