若い男性たちが観光みたいにトイレを出入りしている
4月14日、新宿・歌舞伎町にホテルやエンタメ施設からなる国内最大級の複合型エンタメ施設「東急歌舞伎町タワー」(以下、歌舞伎町タワー)がオープンした。初日は11時開店にも関わらず、入場待機列の最終的な人数はおよそ1000人に達したというが、SNS上には”ジェンダーレストイレ”に関する辛辣なカキコミも相次ぎ、のちにネットメディアや一部インフルエンサーにも取り上げられたことで、厳しい船出となった。
そもそもジェンダーレストイレとは、性別に関係なく利用できるトイレであり、実際、4月19日に歌舞伎町タワーの公式サイトにて掲載された文書でも、「国連の持続可能な開発目標(SDGs)の理念でもある『誰一人取り残さない』ことに配慮し、新宿歌舞伎町の多様性を容認する街づくりから、設置導入いたしました」と記載されている。
だが、そんなジェンダーレストイレに早速クレームが相次いでいる。
4月23日午後6時。この日は日曜日ということで、「歌舞伎横丁」なる飲食テナントが入った2階のメインホールは、多くの家族連れやカップル、外国人観光客で賑わっていた。
炎上した”ジェンダーレストイレ”がある2Fの入り口付近では、大学生ぐらいの男性グループから「ジェンダーレストイレ見た? 覗きにいこうぜ」「カワイイ女の子の後に入りたいよな」といった心無い発言が聞こえてきた。
ジェンダーレストイレは、”コの字型”に個室トイレが13コ並んでいて、「男子用」「女子用」「ジェンダーレス(性別不問)」「多目的用」に分かれており、男性の小便用トイレとジェンダーレストイレの分岐部分には警備員が立っている。
やはり女性たちは抵抗があるのか、女子用の個室トイレのみ、利用待ちで行列ができていた。また、このジェンダーレストイレを含む一帯は、西武新宿駅側(奥手)からも入ることができるのだが、そちら側には警備員も立っていないため、特に用事もないのに興味本位で通り抜けていく男性グループの姿が多く見られた。
実際にジェンダーレストイレを利用した客に話を聞いた。
「女子トイレに行列ができていて、仕方なくジェンダーレストイレを利用したんですけど、便座が上がってたんですよ。それだけで直前に男性が使っていたんだなって、わかるのも嫌だし、男性は立って用を足すから周りに尿が飛び散ったりしてるんですよ。これも女子トイレなら見ずに済むモノなので不快に感じました」(20歳女性・大学生)
「個室トイレから出てきたら、その場にいる男性がチラっと見てくるんです。普通のトイレならありえない光景なので違和感もありますし、もし変な人がいたらどうしようという怖さもあるので、もう利用したくありません」(25才女性・会社員)
「若い男性たちが観光みたいにトイレを出入りしているのがすごく気になります。それに、女性トイレって赤ちゃんの授乳にも使うんですよ。わざわざ別の階に上がるのも子供がいると一苦労だし、女性のことを考えられていないと思いました」(34才女性・主婦)
また、男性からはこんな意見も出た。
「男子トイレは小便器しかないので、仕方なくジェンダーレストイレに来たんですけど、それって大便しにきたのがバレバレじゃないですか。場所柄、綺麗な女性も多いからすごく恥ずかしいんですよ。気にしてコソコソしちゃいます(笑)」(27才男性・会社員)