太平洋戦争終結から78年目の夏、今年も日本は「終戦の日」を迎える。

ロシアによるウクライナ侵攻は出口が見えず、台湾を巡って米中は対立。国際情勢が緊張を増す中、かつての戦争を振り返り、「いかに平和を守るか」について考えることは、今の時代を生きる私たちの義務ではないだろうか。

戦争と平和を考えるにあたり、関連書籍を手に取る方も多いだろう。

戦前〜戦後の貴重な白黒写真をカラー化して掲載した書籍『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』(光文社新書)は、写真集としては異例の発行部数6万部を記録し、大きな反響を呼んだ。原爆投下や各地への空襲だけでなく、当時を生きた人々の“日常”にもスポットを当てた写真が、約350点収録されている。

「形あるものとして留めたい」書籍化への思い

本書にかけた想いと出版までの道のりを、担当編集者の高橋恒星さんに聞いた。

「歴史的・軍事的な視点から戦争を振り返るような書籍はたくさんありましたが、それだけでは不十分だと感じており、別の方法で戦争に対してアプローチしたいという気持ちがありました。

そんな折、著者の渡邉先生が“〇〇年前の今日”としてTwitterで毎日発信されていた写真を見て、『これを写真集にできないか』と考え、先生にコンタクトを取りました」

【写真多数】〈終戦78年〉出撃前の特攻隊、原爆のきのこ雲、火炎放射器で焼かれる沖縄―。AI技術と対話をもとにカラー化した写真が繋げる“過去と現在”_1
1945年1月27日。富士山上空を飛行するアメリカ第73爆撃団のB-29「スーパーフォートレス」の編隊。76機のうち56機が有楽町・銀座地区に目標を変更、空襲を行った
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SNS全盛の今、ネット上で誰でも気軽に写真を載せたり、見たりすることが可能だ。そういった写真を、あえて一冊の本にまとめることに意味があったのだという。

「本書は、決して“ネットありき”の企画ではないんです。よく『フロー(Flow)とストック(Stock)』という言葉が使われますが、ツイートだとそのまま流れて、明日にはみんな忘れてしまう。“フロー”ではなくて、形を持って留まることはすごく大事なことなんじゃないかと思います。

いわゆる“バズらなかった”写真の中にも大切なものがあり、それらを全て並列的に扱えるという点でも、書籍というスタイルで写真を残すことには意味があったのではないでしょうか」