竜ちゃんはもうこの世にいません。
でも、みなさんの心のなかで生き続けてくれたらうれしい

――上島さんが亡くなられてから早15カ月が過ぎました。いまのお気持ちを聞かせてください。

あっという間だった気もしますし、すごく昔のようにも感じます。気持ちは一定ではなく、いろんな感情が渦巻いていたというか。ある瞬間は本のタイトル通り「ばかやろう」って気持ちがこみ上げてきて、また別のときには「私の方こそごめんね」という思いになって沈んだり。1年が過ぎて、いまはホッとした気持ちと同時に、これからは1人で生きていかなければいけないと感じています。

――上島さんの死後、光さんのもとにはメディアから多くの取材依頼が届いていたようですが、すべてを断ってきたと聞きました。改めて本を出版することにした思いを聞かせてください。

一番は亡くなったときにもコメントさせていただきましたが、「上島竜兵」という芸人がいたことをみなさんに覚えておいてほしいという思いからです。竜ちゃんは生前、永六輔さんの「人は二度死にます。まず死んだとき。それから忘れられたとき。」という言葉に感銘を受けていたようで、よく「人は二度死ぬ」ということを言っていました。

竜ちゃんはもうこの世にいません。でも、本を書くことで、みなさんの心のなかで生き続けてくれたらうれしいと思い、書かせていただきました。

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上島光さん
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――亡くなられた上島さんを思い起こしながらの執筆は簡単な作業ではなかったと思います。

本を書くとなるとそれまで考えないようにしていたこととも向き合わないといけないですからね。文章を書くことに慣れていませんし、パソコンの前で手が止まってしまい、何日も書けない日もありました。

いざ書き始めても、ダダダダって涙が溢れ出てきてしまったり、自分で書いた文章を読み返すだけで泣けてきちゃったりとか。あまり大変だったとかしんどかったとは言いたくありませんが、法事ごとやさまざまな手続きも同時進行でしたので、簡単ではなかったというのが正直な思いです。