世界で二番目に古い職業「傭兵」

現代では世界のさまざまな紛争地で傭兵組織、民間軍事会社(PMC)が活動している。アメリカや中国もロシア同様、数多くのPMCを抱えている。たとえば、イラク戦争参戦で巨額の報酬を得たアメリカのブラック・ウォーター社は民間人への虐殺行為などを引き起こして信用が失墜したものの、社名を「アカデミ」と変更して現在でも存続している。

傭兵の歴史は古く、世界最古の職業である売春に次いで二番目に古い職業と言われる。近代にナポレオンが徴兵制と志願制を中心とする国軍を創設するまで、戦争はほぼ傭兵の仕事だった。アジアでは唐を滅ぼした安禄山も傭兵組織の頭だった。その安禄山は皇帝即位後わずか1年で次男の安慶緒に殺害され、建国した大燕はあっけなく滅んでしまった。

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7月19日にはベラルーシ国内でプリゴジン氏らしき人物がワグネル兵士を歓迎する動画がSNSに投稿されたのに加え、27日には同氏が中央アフリカ関係者とみられる男性と笑顔で握手する写真も公開された。

はたしてプリゴジン氏はしぶとくロシア屈指の民間軍事会社のトップとして生き残るのか、それとも現代ロシアの安禄山となるのか。その先行きはいまだわからないままだ。

文/小西克哉  写真/shutterstock