砂糖よりも依存性の強い果糖
糖質の中でも、特に果糖には強い依存性がある。糖質依存になっている人の多くが好むのは、加工した食品だ。チョコレートの他にもクッキー、ジュース、ケーキ、糖入りの缶コーヒーなど、身の回りには糖質たっぷりの食品が溢れている。
もし、手元に甘い加工食品があるなら、裏の原材料名を見てほしい。一番初めに書かれてあるのは「果糖ブドウ糖液糖」か、似た名前の糖ではないだろうか?加工食品に使われる液糖は、コーンシロップを材料にした甘味料だ。家庭で使う白い砂糖の200倍以上の甘味を持つので、製造業者からするとコスパの良い原材料と言える。
この果糖は、砂糖よりも強力な依存性を持つ。果糖の消費量の世界的な増加と肥満人口の増加は比例している。果糖の肝臓での代謝と脳での働きは、エタノールと驚くほどそっくりだ。
アルコールは飲みすぎると肝臓を悪くするし、脳を麻痺させて人を酔っ払わせたり、脳の萎縮を起こしたりする。こんなことは言われなくても多くの人が知っている。
お菓子やジュースも酒と同じような働き
ところが、お菓子やジュースに入っている果糖も、それと同じような働きをしているのだ。チョコレートを食べてもすぐには酔っ払わないが、肝臓と脳にダメージを与えている。もし、お酒を減らしても中性脂肪が減らないと嘆いている人がいたら、普段食べている甘いものを見直してみてほしい。加工品のおやつを減らせば、ずいぶん数値が良くなるはずだ。
翌朝、菜々子は電車に乗っていた。昨日の睡眠時間は4時間。自宅に帰ったのは、結局、夜11時だった。家に帰ってお風呂に入り、スマホを少し見ていたら、あっという間に深夜2時半。こんな日が続いていた。
フラフラしながら会社に到着すると、エレベーターホールに先輩がいた。「おはようございます」と挨拶をしながら、ちょうど開いたエレベーターに乗り込んだ。だが、動き始めたエレベーターの中で菜々子は、胸がムカムカして吐き気のような感覚を感じ、そのまま倒れてしまった。
気づいたときは、救急車の中だった。病院に着くと、頭部のCTや脳波、血液検査などひととおりの検査を受けた。説明を受けるために診察室に入った。
「頭部CT検査では、特に異常はありませんでした。軽度の貧血がある程度です。ただ、突然、意識を失って倒れるタイプのてんかんである可能性があります。来週、もう一度検査に来てください」
と菜々子は医師から告げられた。
文/山下あきこ
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