年齢層が上がるにつれて「居場所がない」と回答する割合が高い

施設を退所した後、親から締め出された子どもが、「今日、家に帰れない」とか、親と喧嘩して、「家に帰るのがしんどい」という状況になるケースも見てきたという藤田氏。そんな施設を退所した親子の受け皿となっているのだ。

実際、私が訪ねた日、彼女が以前勤めていた施設を退所した子どもが訪れていた。

藤田さんが書いた日記
藤田さんが書いた日記

「大学生になっても時々ご飯を食べに来てくれるんです。近況を報告し合ったり、お手伝いしてくれたりと、すごく助かっています」(藤田氏)

子ども家庭庁が2022年度に行ったアンケート調査では、中高生以上の世代で「家や学校以外の居場所がほしい」にも関わらず、居場所が「ない」と回答したのが26%。また、年齢層が上がるにつれて「居場所がない」と回答する割合が高く、19歳以上は約40%だった。

そうした結果からも、世代を問わず“居場所”が求められていることは確かだろう。そして藤田氏は取材の最後にこう話した。

「こうしてここに集う人たちが、偶然出会って、一緒にごはんを食べたり、笑ったり、相談できたり、自分として誰かと一緒にいられる時間を過ごせているのを見ると、ここがあってよかったなって感じます。だから、こうした”居場所”がもっと全国に広がって欲しいと思っています」

取材に応じる藤田さん
取材に応じる藤田さん
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問い合わせ 一般社団法人青草の原
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メールアドレス  info@aokusa.or.jp

※「集英社オンライン」では、“子どもの居場所”をテーマに取材をしており情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

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取材・文/ 甚野博則
集英社オンライン編集部ニュース班
撮影  撮影/Soichiro Koriyama