全国で加速する子どもの居場所づくり

子どもの貧困対策をはじめ、家庭や学校に息苦しさを感じている子どもが孤立しないようにと、これまで各地域の地方公共団体や民間などが、さまざまな形で取り組んできた活動の1つが「こどもの居場所づくり」だ。

表札はポストに手書きで「れもんハウス」と書かれていた
表札はポストに手書きで「れもんハウス」と書かれていた
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例えば、子ども食堂、放課後児童クラブ、放課後等デイサービスなど、さまざまな形の“居場所”が全国に存在するが、この「れもんハウス」は誰もが自由に過ごせる多目的な場を提供する、いわゆるフリースペースといったところ。だが、「れもんハウス」が他の“居場所”と違う点は、利用者が「子ども」だけに限らないことだと藤田氏は話す。

「ここでは『あなたでアルこと、ともにイルこと』というテーマを大切にしているため、支援する人とされる人を分けたくないとの思いからスタッフを「イルひと」と呼んでいます。例えば5歳くらいの幼児から、大学生、さらには子どもとお母さんが一緒に利用したり、30代、40代の大人の方が仕事帰りに寄ったりと、うちに来る人の年齢はさまざまです。

歌舞伎町などで子どもに声をかける団体があって、そこのシェルターがいっぱいだから泊まらせてほしいと言われることもあれば、みんなとご飯を食べながら交流するために来てくれる会社員もいます。とくに宣伝しているわけではないので、基本的には誰かの紹介で来る人が多いですね。居場所を求めて来る子どもから、活動に賛同してくれて顔を出してくれる大人など、いろいろです」

取材に応じる藤田氏
取材に応じる藤田氏

こうした居場所づくりが全国的に加速したのは令和3年12月、「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」が閣議決定されてからだ。

基本方針では、すべてのこどもが安全で安心して過ごせる多くの居場所を持つことの重要性が掲げられている。今年4月、こども家庭庁が設置されたことで、今後もさらに居場所づくりが本格的に加速していくだろう。