さまざまなシチュエーションで「生っぽい濡れ場」
役作りでは、ボディメイクをしたり、眉毛を抜いたりと、さまざまなアプローチを行った。
「漫画の抄子は体のラインは整っていますが、普通に働いている30代の女性という設定。そこの乖離を埋めたかったので、鍛えながらも、あまり鍛えすぎないようにして、ギリギリのラインを攻めてます。
あと見た目の話で言うと、彼女はよく困った表情をするので、下がり眉が多いんですよ。だから眉毛の上の方を抜いて、最初から困り顔に見えるようにしました。
内面については原作を読み込んで、子育てしている役者の先輩方にお話を聞いたり、自分の母を参考にしたり(笑)。女性は相手によって声のトーンが全然違ったりするので、一樹には高く、娘には低くと緩急をつけるようにしました」
撮影期間は、約3週間。常に原作を携行し、キャラクターの表情とかけ離れないよう気をつけたという。
本編でかなりのボリュームを占めるのが、ラブシーンだ。城定監督が「生っぽい濡れ場を撮って、しっかりとエロスと向き合いたい」と語っているように、さまざまなシチュエーションで絡む場面がある。
「私にとって城定組は、『私の奴隷になりなさい〜』以来厚い信頼があるので、ラブシーンも取り立てて緊張せずに済みました。当日やったのは、鏡の前に立って体型確認をするくらい。身なりとテンションを整えて、普通に現場に行く感じでしたね。
ベッドシーンは『やっぱり、このシーンは脱いでよ』とか言われるイメージがあるかもしれないですけど、そんなことは本当にないんですよ。特に城定組においては、事前に監督やプロデューサーと話し合って、不安要素を解消してから臨んでいるので。
それに城定監督は、撮るものを事前に決めて来る方なので、その場で変更することはない。だから毎日スムーズに撮影が進みますし、楽しくて『今日も早く現場に行きたい』という気持ちでした(笑)」