ベトナム人女性は愛嬌がよく、一気に人気者に
日本に滞在するベトナム人の数は近年、うなぎ上りだ。
出入国在留管理庁発表の在留外国人統計によると、2022年末時点の在日ベトナム人は、48万9312人で中国人に次ぐ第2位。さらに、同年10月時点の日本におけるベトナム人労働者数は、中国人を超える46万2384人。2010年から比較するとその数は10倍以上にも推移しており、外国人労働者全体の25.4%を占める。
同郷の人間が異国で集まれば、特定の街でコミュニティをつくるもの。彼らもその例に漏れず、台東区と文京区の境目にある湯島エリアでは、ベトナムガールズバーなどの“大人の遊び場”で働く人が増えている。
湯島天満宮など歴史的スポットが多い町としても知られているが、昨今は中国・韓国・フィリピン系の接待を伴う多国籍の店が乱立している。そんな街でなぜベトナム人店舗が増えているのか。実話誌ライターが語る。
「コロナ禍に中国系や韓国系のクラブがつぶれて、そこにベトナム勢が入り込んだ。新宿や池袋は家賃が高いけど、湯島なら安いし、もともと多国籍の店が多い地域。外国人に簡単に貸してくれるオーナーが多いのも理由のひとつだろう」
6月某日の夜9時すぎ。すでに多くの人で賑わう湯島を歩いていると、ベトナム人らしき女性の姿もチラホラ見られる。
ガールズバーで働く彼女たちはベトナムの民族衣装、アオザイに身を包み、「オニーサン、一杯ドウデスカ~?」と声をかけている。料金は30分1500円。チャージ額としたら相場といったところだろう。
湯島エリアでバーを経営する男性はこう言う。
「湯島のガールズバーといえば、ロシアやフィリピンしかなかったけど、5、6年前くらいに『Queen』と『333』というベトナムガールズバーがオープンしました。ベトナムの子たちは愛嬌があるからすぐに人気になって、コロナ禍でも一気に10軒くらい増えました。
あのころは出国制限が厳しかったから、学生ビザのまま帰れなくなったベトナム人の働き口として注目されたこともあったんでしょう」