バランスを欠いた脳になっていないか

もしかして皆さんは、からだの脳(一階)育てがうまくいっていない暮らしのなかで、習い事やスポーツ(二階)を無理にやらせてはいないでしょうか。もちろん子どもがやりたいと言えばやらせたいのは親心です。能力を伸ばすことに力を尽くすことは構わないのですが、見落としてほしくないのが「バランスを欠いた脳になっていないか」です。

親御さんに「どんな子を育てたいですか」という話を聞くと、「とにかく丈夫であればいい」と言う人はほとんどいません。規則的に呼吸をして、心拍が速すぎもせず遅すぎもせず、筋力がちゃんとあって、危険から身を守れるぐらいの運動神経がある。夜になったらコテッと寝て、朝になったらパカッと起きて、いつもニコニコ元気いっぱい。そんな子がいいです、と言う親御さんに出会ったことがありません。

しかし、そこが一番大事なのです。そこを土台にすべてが作られるのですから。

私に言わせれば、「どんな子を育てたいですか」に対する答えは以下のようになります。

その1 「からだの脳」時代は「原始人のような子」
その2 「おりこうさんの脳」時代は「学校の勉強以外の知識欲がある子」
その3 「こころの脳」時代は「相手のこころを読める子」

#1『「育てられたように育てたい」「自分を認めてくれなかった母親の呪縛から逃れられない」自由に遊ばせるイベントで子供に指示を出しまくる高学歴親たちの身勝手』はこちら

#2『なぜオレオレ詐欺はアジアでだけ起こるのか。騙される親子の特徴…「高学歴親という病」と経済教育の失敗』はこちら

『高学歴親という病 』(講談社+α新書) 
成田奈緒子
2023年1月20日
990円
192ページ
ISBN:978-4065302125
ノーベル賞科学者山中伸弥氏、推薦
「子育ては『心配』を『信頼』に変える旅――同級生の成田先生の言葉が心に響きます。
僕は成田先生を医師、小児脳科学者、そして人として、とても信頼しています」

山中伸弥氏との共著『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』が
ベストセラーになった子育ての第一人者・成田奈緒子医師、待望の続編。

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