ロン毛・ロン髭のマーシュ
さて、大谷さんの仲良しメンバーとして、2022年シーズンに大きなインパクトを残した選手がいます。なが~いお髭とロングヘアーが否が応でも目に留まるブランドン・マーシュです。
MLBデビューは2021年で、2年目のシーズンで外野手のレギュラーに定着しました。その風貌とは裏腹に気のいい好青年で、日本のメディアの取材にもよく応じてくれました。日本のファンの間でもマーシュがヒットを打つと「打ちマーシュ!」、外野でファインプレーをすると「捕りマーシュ!」という言葉が生まれるほど愛された人気者でした。
エンゼルスでは2022年シーズン、ホームランを放った後にカウボーイハットをかぶる儀式が定着しましたが、ある日、ホームランを打った大谷さんにマーシュがカウボーイハットをかぶらせようとした時のこと、「僕がかぶらせようとしたら、彼がジャンプして入ってきた。まるで〝ポン〟って音がするような感じでね。理由は分からないけど、面白かったよ」と、うれしそうに語っていました。ちなみに、2023年シーズンはカウボーイハットが日本の兜に変わり、話題になりましたね。
クラブハウスでも冗談を言い合う仲良しだったマーシュは、他の同僚たちと同様、大谷さんにからかわれたことがあるようです。
「僕が確か、試合で2三振してね。彼は3三振で、そしたら、ちょっといじってくるような感じで『僕に(打撃を)教えてよ』って。僕はこう言ったよ。『ショー、君はクレイジーだ』ってね」
大谷翔平は「スーパープロフェッショナルだ」
2022年8月初旬のトレード期限直前にフィリーズ移籍が決まり、エンゼルスを去りましたが、マーシュは、同じ左打者として大谷さんをずっとお手本にしていました。
「ある状況で何を考えているか。そういうことも学んで、情報を得て、自分に生かしたかったんだ」
試合に臨むまでの準備、打席でのアプローチ、考え方を吸収しようと、プレーをよく観察していたそうです。トレードが成立してエンゼルスを去る時も、「彼はスーパープロフェッショナル。失敗や成功との向き合い方とか、全てに注目していた。見ていて、楽しかった」と名残惜しそうにコメントしました。
フィリーズ移籍でマーシュがチームを去る際、大谷さんは大切な元同僚に「心の底から応援しているので、結果を出してポストシーズン頑張って欲しい」とエールを送りました。その願いが届いたかのように、マーシュはフィリーズで活躍し、なんとワールドシリーズに進出しました。惜しくも世界一はなりませんでしたが、エンゼルスで大谷さんから学んだことは、きっと生きたはずです。