ダルビッシュに残された最後のタイトル
――そのダルビッシュ選手も野球選手としては円熟の領域に入ります。
ええ。野球が嫌い、練習嫌いだったダルビッシュですが、自分で工夫して練習に取り組むうちに刻々と変わっていきました。「羽曳野ボーイズ」を卒業し、高校に進学する頃には野球が好きでたまらないという心境になっていたはずです。そして、そんな彼の成長する姿を見て、当時から現在の彼の成功を確信していました。だからこそ、残りの野球人生も充実したものであってほしいと願っています。
――今後のダルビッシュ選手に期待することは?
あの子のプロ入団を祝う会のあいさつで、「プロになったらまずは新人王。そしてチームを優勝させて日本シリーズも制して、さらには五輪にも出場して世界一になってほしい」と、考えつくかぎりのことをリクエストしたことがありました。ところが、そのリクエストをあの子はあっという間にすべて達成してしまった。
あと残っていることといったら、メジャーでサイヤング賞を獲ることくらいでしょうか。あの子がサイヤング賞を獲って日本の野球ファンにプレゼントしてくれたら、もう何も言うことはありません(笑)。
#1〈メジャー通算100勝〉「原点は平均台の上でのテニスラケット振り」“練習嫌いで体が大きいだけだった”ダルビッシュが世界屈指の投手になれた理由
取材・文・撮影/集英社オンラインニュース班