「学校はそこに目をつぶってきた」
「不登校のきっかけは多様で一概に増加の理由は語れない。ただ、一律に同じ内容を同じスピードで学ぶことに合わない子どもはたくさんいる。学校はそこに目をつぶってきた」。カタリバの今村久美代表は指摘する。
子ども自らが学校に行かないことを選ぶ「積極的不登校」を認めようとする考え方も出てきているが、今村代表は「現実には学校に行きたいけど行けない子どもが多いと感じる。同じ学区の子が楽しそうに登校する姿を見て苦しい思いをしている親子は多い」と語る。不登校になる子どもは激増している。
不登校の子は過去最多の24万人
文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、1991年度から調査している「不登校」は病気や経済的理由、新型コロナウイルスの感染回避などを除いて年間30日以上登校していない状況を指す。
それによれば、不登校の小中学生は2021年度に過去最多の24万人に達し、約10年前からほぼ倍増した。小学生が8万1498人(前年度比28%増)、中学生は16万3442人(同23%増)だった。
児童生徒1000人あたりの不登校の人数は小中学校合わせて25.7人で、15年度(12.6人)と比べて倍になる。年間の欠席日数が90日以上だった児童生徒も過去最多の13万4655人で、不登校全体の半数を超えた。